神保町の餃子の新星「ぎょうざ屋 たかく」(前編)

神保町の餃子の新星「ぎょうざ屋 たかく」(前編)

餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、東京の神保町にある餃子専門店「ぎょうざ屋 たかく」店主の高久和央さんに、皮から手作りのこだわりの餃子の作り方を教えていただきました。
  • ぎょうざ屋 たかく」店主の高久和央さん
「ぎょうざ屋 たかく」店主の高久和央さん
 

神保町の餃子の新星「ぎょうざ屋 たかく」

最近、個性的な餃子店が続々と開店し一躍餃子の街として注目を集めている神保町。そんな神保町の餃子シーンをけん引する店の一つが「ぎょうざ屋 たかく」です。店内はカウンター中心で、店主と会話をしながらこだわりの手作り餃子とドリンクをじっくり味わう時間を楽しめます。
宇都宮出身の高久さんにとって、餃子屋さんは小さな頃から身近な存在であり、また憧れでもあったそうです。大学卒業後はITエンジニアやコンサルタントとして活躍されていたのですが、交通事故にあったことをきっかけに人生観が変わり「自分が本当にやりたいことをやろう!」と夢だった餃子の店を始めることを決意。
元コンサルタントの高久さんの餃子開発は、とにかくデータを重視します。餃子に使う食材や調味料、塩分量などを全てデータ化しエクセルで管理し、2000回以上の試作を繰り返して開業に至りました。高久さんが作るこだわりの餃子は瞬く間に話題となり、連日餃子好きが集う人気店となりました。
  • 「ぎょうざ屋 たかく」の店舗
「ぎょうざ屋 たかく」の店舗の外装と餃子の食べ方案内
  • エクセルで管理された餃子開発DATA
エクセルで管理された餃子開発DATA
  • 「ぎょうざ屋 たかく」の店舗
 

週4日営業が限界のこだわりの餃子たち

2024年に開店し一気に人気店となった「ぎょうざ屋 たかく」ですが、なんと営業日は週4日のみ。ランチ営業も休止し、現在はディナータイムのみの営業です。その理由を「自分が納得できる餃子を出そうと思うと、週3日は仕込みに必要なんです。」と高久さんは説明します。
「ぎょうざ屋 たかく」では、餃子作りの全ての工程を高久さん一人で行っています。皮ももちろん自家製で、店内に設置された製麺機を使って麺帯を作り、手作業で丸くくり抜いて作っています。更に焼き餃子と水餃子でも適切な厚さが変わるため、それぞれ作り分けをするのが高久さんのこだわりです。
また、「ぎょうざ屋 たかく」ではレギュラーメニューと季節の餃子を合わせて常時十数種類の餃子が提供されているのですが、全ての餃子でベースとなる餡の食材や調味料の調合が異なります。「食材の特徴を活かした餃子を作ろうと思うと、ベストな味付けは変わって来るんです。」と高久さん。
皮づくり、餡の作り分け、次の季節の餃子で営業日が減ったとしても、妥協を許さない高久さんのこだわりが、多くの餃子ファンを魅了しているんですね。
  • レギュラーメニューと季節の餃子
レギュラーメニューと季節の餃子
  • レギュラーメニューと季節の餃子
たかくのラムパクチー餃子など
  • たかくの自家製のこだわりの皮
たかくの自家製のこだわりの皮
 

「ぎょうざ屋 たかく」のスタンダード餃子の作り方

高久さんに、お店の基本となるスタンダード餃子の作り方について教えて頂きました。スタンダード餃子は野菜と肉の比率が7.5:2.5ぐらいの、野菜が主役の餃子です。餡づくりで驚いたのは野菜をほとんど絞らないこと。塩もみで水を抜くのではなく、カットして洗った野菜を軽く脱水するくらいで止めるのがポイントです。そうすることで、噛んだ瞬間のシャキッとした食感と、野菜そのものの甘みが残るんだそうです。更にキャべツと白菜はカットサイズを変えて食感にアクセントをつけます。その他に使う野菜は、ニラ、玉ねぎ、しょうが。ニンニクも入れるが隠し味程度にごく少量のみ。
豚肉はウデ肉を使います。ウデ肉だけだと脂身が少ないのでラードを少し足してコクを補います。豚肉に和風だしと豚鶏がらの自家製スープを餡に練り込み、ジューシーさと複雑な旨味を追加。このスープは昆布と椎茸のだしをベースに、香味野菜やガラで取った旨みを重ねたもの。さらに日本酒なども追加して粘りが出るまでしっかり混ぜていきます。この「粘り」によって餡がまとまり、味も一体になるのだそうです。ここにカットした野菜をまぜれば餡の完成。野菜は優しくまぜて、水分が出ないように気を付けます。
続いては自家製皮で餡を包みます。皮は厚さ1.2mm程度とやや厚めです。準強力粉と強力粉をブレンドすることで、皮のモチモチ食感と焼き目のサクッとした軽い食感を両立します。水と塩に加えてラードを少し足すことで、香りや味の深さを足しているそうです。手早く包んだらすぐに急速冷凍するのも重要なポイント。「野菜の水分量が多いので、冷凍しないと野菜から水分が染み出てきてしまうんです」と高久さんがその理由を説明してくれました。
焼き機でパリッと焼かれたスタンダード餃子は、野菜が多くてあっさりしてるのかと思いきや、旨味やコクがしっかりしていて、タレをつけなくても美味しい餃子でした。
  • スタンダート餃子
  • スタンダート餃子
たかくのスタンダート餃子
 

  • ぎょうざ屋 たかく
店舗情報
●店名:ぎょうざ屋 たかく

●所在地:〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町1-3-2 内田ビル1階
●電話番号:080-2000-7785
●営業日時:
 <火曜日~金曜日>17:00~22:00
 土曜日は不定期(事前に告知します)
●Instagramアカウント:
https://www.instagram.com/gyoza_do/

塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)