食をマニア化するマニアプロデュース「餃子マニア」(前編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、「餃子マニア」などを運営するマニアプロデュース代表取締役の天野裕人さんと飯塚雄大さんに「マニアな餃子」の作り方を教えていただきました。
マニアプロデュース代表取締役の天野裕人さん
食をマニア化するマニアプロデュース
天野さん率いるマニアプロデュースは、食をマニア化するというコンセプトのもと「餃子マニア」をはじめとする人気業態を開発しています。西荻窪の「餃子マニア」1号店は、2019年には餃子店としては珍しいビブグルマンを獲得しました。現在は全国各地に「小籠包マニア」や「北京ダックマニア」など直営で8店舗、FCで18店舗を展開しています。
中国で飲食事業に携わっていた天野さんは「中国の屋台で食べた餃子の感動を日本でも広げたい。」と考え、日本に帰国後に独立して餃子マニアを立ち上げました。「屋台のおじいちゃんの実家まで行って、餃子の作り方を教わりました。」と天野さんは当時を振り返ります。
食のマニア化の真髄は、「あえて手間暇をかけ、ひとつひとつ現場で仕上げる。」とのことです。店舗が増えた現在でも、各店舗で皮の生地作りから行うという徹底ぶりです。店内装飾や食器にもマニアックにこだわり餃子マニア独特の世界観を演出しています。
「マニア餃子 品川本店」の店内
「マニア餃子 品川本店」の料理
皮づくりから始めるマニアな餃子作り
続いて、飯塚さんに餃子マニアのマニアックな皮づくりについて教えていただきました。「水餃子の皮と焼き餃子の皮では生地の作り方がそもそも異なります。」と言い、2種類の生地を見せてくれました。
水餃子の皮は、通常通り小麦粉を水でこねて生地を作ります。一方、焼き餃子の皮は小麦粉を熱湯でこねてグルテンの粘性を抑え、その後、生地を冷ましてから再度よく練ることで弾力を出します。このひと手間によって、焼き目のパリッとした食感ともっちりとした弾力を両立する上質な餃子の皮を作ることができるそうです。
餃子マニアでは、注文が入ってから餃子を包みます。水餃子の皮は小さめに伸ばし、真ん中に厚みを残します。「包む際に餡を皮に押し込むので、伸びる余地が必要になります。」と飯塚さん。一方、焼き餃子の皮は大きめに均一に伸ばします。中の肉汁をギュッと閉じ込めるため、薄くしすぎないのもポイントとのことです。
飯塚さんと水餃子・焼き餃子用の皮の生地
注文が入ってから皮を伸ばすマニア餃子
こだわりを詰め込んだ羽根つきマニア餃子
最後に、マニア餃子(焼き餃子)の作り方を教えていただきました。餡の具材は、豚肉、キャベツ、ニラ、長ネギと、家庭でも手に入りやすい食材を使っています。ニンニクは使わず、香りづけはニラに任せるのがマニア流です。鶏ガラなどでとったスープをゼラチン状に固め、砕いてから餡に混ぜ込みます。これによって、小籠包のような肉汁たっぷりの餃子を作ることができます。包む際には「両端を内側に折り込み、圧着することで肉汁を一滴も漏らしません。」と、飯塚さんが実演してくれました。
焼きの工程は、鉄板にサラダ油を敷くところから始まります。餃子を並べた後、さらに少量のサラダ油を上から流しかけます。餃子が膨らんで隣同士がくっついた際にはがれやすくなるのだそうです。続いて、水溶き小麦粉を餃子の上からかけ、蓋をして蒸し焼きに移ります。これは蒸すだけでなく羽根のもとにもなります。パチパチと乾いた音が鳴るようになったら蓋を開け、餃子に香り付けのネギ油を少々かけます。羽根の色がきつね色になったらターナーで盛り付けて、美しい羽根をまとったマニア餃子が完成です。
マニア餃子と焼の工程
「マニア餃子は、香酢とコショウのタレが一番人気です。」と、飯塚さんがおススメの食べ方も教えてくれました。パリッともっちりを両立した、伸ばしたての皮で包まれた餃子を噛むと、中からジュワッと肉汁があふれ出てきます。香酢のキレのある酸味とコショウがピリッと効き、後味がぐっと締まります。
美しい羽根をまとったマニア餃子
人気の香酢とコショウのタレ
今回は、餃子マニアの皮づくりと、マニア餃子(焼き餃子)の作り方を教えていただきました。次回は、水餃子の作り方についてお伝えいたします。
店舗情報
●店名:餃子マニア 品川本店
●所在地〒108-0074 東京都港区高輪4-11-16 京急第11ビル 2F
●電話番号:050-3623-3704
●営業日時:
<月~金>17:00~23:00
<土>16:00~23:00
<日>16:00~22:00
●餃子マニア 品川本店:
https://gyozamania-honten.com/
●店名:餃子マニア 品川本店
●所在地〒108-0074 東京都港区高輪4-11-16 京急第11ビル 2F
●電話番号:050-3623-3704
●営業日時:
<月~金>17:00~23:00
<土>16:00~23:00
<日>16:00~22:00
●餃子マニア 品川本店:
https://gyozamania-honten.com/
塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)