目の前で皮を伸ばす創作餃子の「ぎょうにんべん」(後編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、前回に引き続き栃木県小山市の餃子専門店「ぎょうにんべん」店主の相原陽介さんに、皮から作るこだわりのアレンジ餃子の作り方を教えていただきました。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、前回に引き続き栃木県小山市の餃子専門店「ぎょうにんべん」店主の相原陽介さんに、皮から作るこだわりのアレンジ餃子の作り方を教えていただきました。
「ぎょうにんべん」店主の相原陽介さん
宮城の牡蠣を丸ごと包んだ牡蠣餃子
相原さんは「さすらう餃子職人」として全国を旅しながらその土地の名産物を餃子に仕上げInatagram(@gyoza_gyoninben)で紹介する活動を行っています。その活動の一環として生まれたのが相原さんの地元でもある宮城県の牡蠣を使った「牡蠣餃子」です。この餃子は「ぎょうにんべん」では、お通しとして最初に出てくる料理として位置づけられています。
牡蠣餃子の皮は、牡蠣の身の大きさに合わせてかなり大きめに伸ばします。皮に秘伝のソースを塗ってから牡蠣の身を乗せます。続いて打ち粉を軽く降り、牡蠣の形に合わせて餃子の皮で畳みこむように包みます。打ち粉によって皮と牡蠣を密着させる効果があるそうです。包んだ餃子は米油を使って焼き上げます。焼きあがった餃子は殻に載せて出てきます。見せ方にもこだわりを感じますね。
牡蠣餃子は"焼き"餃子ではあるのですが、皮の中は蒸し牡蠣の様な仕上がりです。牡蠣の濃厚な風味を餃子の皮がぎゅっと閉じ込めると同時に、皮の焼き目の香ばしさが絶妙なアクセントになっていました。牡蠣餃子に合う焼酎を相原さんに尋ねたところ、県内の白相酒造の「六平」のソーダ割りを勧められました。日本酒を蒸留して作った焼酎で、日本酒の様な香りが牡蠣の旨味を引き立ててくれます。
宮城の牡蠣を丸ごと包んだ牡蠣餃子
牡蠣餃子×白相酒造「六平」
熟成じゃがいものグラタン餃子
続いてじゃがいもを使った「熟成じゃがいものグラタン餃子」の作り方を教えてもらいました。使うのは北海道十勝産の「インカのめざめ」という小粒で黄色い身をしたじゃがいもで、栗の様なホクホク食感と甘味が特徴です。「ぎょうにんべん」では、「インカのめざめ」を雪室で低温熟成させて更に糖度をあげたものを使っています。
インカのめざめ、小山産の椎茸、玉ねぎが主な材料。ホワイトソースも、バター、牛乳、生クリームを使った自家製。これに牛出汁、オイスターソース、シナモンパウダーなどで風味付けをして、餡となるグラタンを作ります。グラタンは包みやすくするために一度冷やします。
皮は、ミキサーにかけたほうれん草を練りこんだグラタン餃子専用の皮を使います。冷やしたグラタン餡を皮で包み、米油で一旦焼き上げます。焼きあがった餃子にチェダーチーズをかけてバーナーであぶってから、仕上げにパセリを振りかけて完成。餡作りも、皮作りも、最後の仕上げまでも、手間をかけまくった餃子ですね。
完成した「熟成じゃがいものグラタン餃子」を一口食べると「インカのめざめ」の甘味に驚きました。皮とチーズの香ばしさも印象的で、マカロニグラタンとポテトグラタンの両方の性質を一体化した、これまでに食べたことのない新しい餃子でした。この餃子に合う焼酎として勧められたのは鹿児島県の丸西酒造の「ヤキイモ ベニハルカ」。焼き芋を使った焼酎で、ほっこりした甘さが特徴でお湯割りでもロックでも、その甘味が楽しめる焼酎です。
熟成じゃがいものグラタン餃子
熟成じゃがいものグラタン餃子×丸西酒造「ヤキイモ ベニハルカ」
チーズとイチゴを使ったスイーツ餃子
締めのスイーツとして楽しめるチーズとイチゴを使った「クリームチーズの餃子」の作り方を、相沢さんに教えてもらいました。
まず宮城の「蔵王クリームチーズ」を皮の真ん中にどっさりと盛ります。餡の具材はこれだけ。皮の塩味とクリームチーズの甘味だけで十分な味わいになるそうです。皮をしっかりと閉じたら、少しつぶして熱が中まで通りやすくしてから油で揚げます。「ぎょうにんべん」では揚げ餃子に使う油にも米油を使っています。
きつね色に揚がった餃子に、栃木産イチゴ「とちあいか」で作ったイチゴのコンポートをかけます。その上からシュガーパウダーを振りかければ完成。手延べの皮は、揚げた際に少し膨らんでサクサクっとした軽い食感。濃厚なクリームチーズの味わいとイチゴの酸味が印象的な大人なスイーツに仕上がっていました。
「この餃子は、締めにデザートの様に食べても良いですし、焼酎と合わせることもできるんです。」と相沢さんが勧めてくれたのが奄美の黒糖焼酎「一番橋」と「浜千鳥乃詩」。やや度数は高めですがロックにして飲むと黒糖の甘い香りが漂い、スイーツ餃子とも相性がとても良かったです。
チーズとイチゴを使ったスイーツ餃子
クリームチーズの餃子×「一番橋」「浜千鳥乃詩」
相沢さんには前後編の2回に渡って、餃子の固定概念にとらわれずにこれまでに無い餃子を生み出す方法を教えていただきました。皆さんも、気になった食材や料理があったら餃子化できないか、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
店舗情報
●店名:酒場 ぎょうにんべん(gyoninben)
●所在地: 〒323-0022 栃木県小山市駅東通り1-2-9 坂下ビル2F
●営業時間:18:00 - 23:00
●休業日:日曜日
●電話番号:0285-37-6048
●公式サイト:https://gyoza-gyoninben.com/
●通販サイト:https://gyoninben.stores.jp/
●店名:酒場 ぎょうにんべん(gyoninben)
●所在地: 〒323-0022 栃木県小山市駅東通り1-2-9 坂下ビル2F
●営業時間:18:00 - 23:00
●休業日:日曜日
●電話番号:0285-37-6048
●公式サイト:https://gyoza-gyoninben.com/
●通販サイト:https://gyoninben.stores.jp/
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