お酒に合う餃子が楽しめる「Gyoza Bar けいすけ」(前編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、ワインのインポーターでもある「Gyoza Bar けいすけ」店主の緒方佳祐さんに、お酒に合う餃子の作り方を教えてもらいます。
餃子といえばビールが定番という印象が強いですが、実は餃子作りを工夫することでワインや日本酒などとペアリングも楽しめるんです。そんな餃子の奥深い魅力をお伝えしたいと思います。
奥浅草で外国人観光客も集う「Gyoza Bar けいすけ」
浅草の浅草寺の北側の「奥浅草」や「観音裏」と呼ばれるエリアは知る人ぞ知るグルメスポット。緒方さんは餃子の移動販売を経て、この奥浅草に2016年に「Gyoza Bar けいすけ」を開店しました。
「Gyoza Barけいすけ」では、常識に囚われない緒方さんの自由な発想で誕生した数々のオリジナル餃子が楽しめます。また緒方さんが厳選してスペインやイタリアから自ら輸入しているワインが数多く揃えられています。独創的な餃子とワインなどのペアリングが楽しめるお店として、またヴィーガンなど多様な食文化にも対応したお店として話題となり、今では世界中からくる外国人観光客が集うお店として賑わっています。
「房総ジビエ」の旗がなびく「Gyoza Bar けいすけ」
店主の緒方佳祐さんとワインセラー
肉餃子は定番のビールから味変で浅草カクテルへ
最初のペアリングは定番のビールに合う餃子として肉餃子の作り方から教えてもらいました。緒方さんの餃子は、餡づくりの前工程で様々な工夫がされています。粗めに挽いた豚ひき肉は塩麹で寝かせて旨味を引き出します。一方でキャベツは生のまま使わず、一旦自家製の牡蠣醤油で炊き込んでから余分な水分を絞ります。豚ひき肉の食感を残すように豚肉餡とキャベツを軽く混ぜれば餡の完成です。それぞれの具材にしっかり味付けをしているので混ぜるタイミングでは調味料や香味野菜は不要とのことです。
パスタマシンで伸ばして型抜きをして作った自家製の皮で餡を包みます。真ん中をちょんと摘んでくっつけてから両端をギュッと握る、某大手餃子チェーン店の様な包み方で見る見るうちに餃子が包まれていきます。これは熟練の技なので簡単には真似できませんね。焼き機で餃子をパリッと焼き上げれば完成です。
具材は豚肉とキャベツというシンプルな組み合わせなのに、塩麹で引き出された豚肉の旨味とキャベツの甘みに加えて牡蠣醤油の風味が足されていることで、とても満足度の高い餃子に仕上がっていました。タレを付けなくても十分美味しい餃子でビールとの相性は抜群です。
「この肉餃子を和風にアレンジするとお茶割りに合うんですよ!」と緒方さん。アレンジ方法は餃子を包む際に、皮に梅のペーストや揉み海苔を敷いた上に、先程の餃子餡をのせて混ぜるだけ。肉餃子に梅や海苔の香りが一気に口の中に広がり、先程の肉餃子とは全く別の餃子に生まれ変わりました。お茶割りは「浅草カクテル」として外国人観光客にも人気なんだそうです。
ビールに合う旨味たっぷりの肉餃子
梅や海苔の香りが広がるアレンジ餃子と「浅草カクテル」
秋の味覚を詰め込んだきのこ餃子で日本酒
続いて日本酒に合う餃子として秋の味覚のきのこをギュッと閉じ込めたきのこ餃子の作り方を教えてもらいました。材料のきのこは、しいたけ、まいたけ、えのき茸、ぶなしめじの4種類です。どれもスーパーなどで手に入りやすいきのこ類ですね。
きのこ餃子も餡作りに入る前に一手間も二手間もかけるのが緒方さん流です。まずこれらのきのこを天日干しにします。きのこは天日干しをすると旨味や香りが増すだけでなく栄養価も格段にアップするんですよね。続いて天日干ししたきのこを冷凍します。きのこは冷凍することでも旨味や栄養価があがるんだそうです。
冷凍されたきのこを解凍してフードプロセッサーで粉々にしていきます。このままでは餡がまとまらずに包むことができません。そこで登場するのが豆乳とヴィーガンバター。ヴィーガンバターはココナツオイルを主材料にしたバターです。豆乳とヴィーガンバターと一緒にきのこを加熱していくと不思議なことに徐々にまとまっていくのです。最終工程でこの餡を冷蔵庫で冷やせばペースト状になったきのこ餡の完成です。
きのこ餃子にはきのこの旨味がギュッと凝縮されています。また餃子を頬張ると口の中から鼻にかけてきのこの良い香りが抜けていきます。ここでの日本酒の一口がたまりません。これは最高の組み合わせですね。きのこ餃子には動物性食品は一切使っていないので、ベジタリアンやヴィーガン、ムスリムの方も楽しめる餃子です。
きのこの旨味がギュッと凝縮されたきのこ餃子
店舗情報
●店名:Gyoza Bar けいすけ
●所在地:東京都台東区浅草4-18-7
●営業時間:火~日: 18:00~28:00
●定休日:月曜日
●電話番号:090-2680-4013
●公式サイト https://gyozabark.jimdofree.com/
●Instagramページ https://www.instagram.com/gyoza_k/?hl=ja
●店名:Gyoza Bar けいすけ
●所在地:東京都台東区浅草4-18-7
●営業時間:火~日: 18:00~28:00
●定休日:月曜日
●電話番号:090-2680-4013
●公式サイト https://gyozabark.jimdofree.com/
●Instagramページ https://www.instagram.com/gyoza_k/?hl=ja
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塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)