元フレンチシェフが腕を振るう餃子専門店「餃子専門 丸虎 MARCO」(後編)

元フレンチシェフが腕を振るう餃子専門店「餃子専門 丸虎 MARCO」(後編)

餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、前回に引き続き餃子専門店「丸虎 MARCO」のオーナーの吉田大介さんに元洋食シェフならではの餃子作りのテクニックやアレンジ餃子について教えてもらいます。

イタリアンなアレンジ餃子

吉田さんはフレンチの他にイタリアンの経験もあるということで、餃子に活かせるイタリアンなアレンジ方法を教えてもらいました。言われてみればパスタも餃子も小麦料理なので共通点は色々とありそうです。
まずはボロネーゼソースとチーズをたっぷり使ったボロネーゼ餃子。食材の組み合わせからラザニア風の餃子を想像したのですが全く違ったものでした。フライパンで焼いた丸虎餃子をパスタに見立てて、その上からじっくり煮込んだボロネーゼソースをたっぷりかけます。仕上げはパルメザンチーズをたっぷりと振りかけるのですが、ここでもテクニックを一つ披露してくれました。カリカリに仕上げた餃子の羽根をヨットの帆のように真ん中に立てた上からチーズをかけると、ふんわりとしたチーズが雪山の様に重なっていきます。これは見た目のインパクトもあります。
餃子の羽根の上からパルメザンチーズをふりかけ、雪山のようにチーズを盛ったボロネーゼ餃子
もう一品「冷たい餃子も美味しいんですよ」と吉田さんが紹介してくれたのが冷製ジェノベーゼ餃子。ラビオリに見立てた水餃子を茹でた後に氷水で冷やし、ジェノベーゼソースを掛けます。バジルとトマトをトッピングとして配置して、仕上げはバルサミコソース。丸虎の水餃子は皮にタピオカ粉を足していて、冷やしてもプルプルっとした食感になるのが特徴です。
いずれのアレンジ餃子もお店のようにソースを一から作ると大変そうですが、市販のパスタソースなどを使えばご家庭でも挑戦できそうですね。
バジルが香る冷製ジェノベーゼ餃子

土鍋でじっくり炊いたスープ餃子たち

博多名物の炊き餃子も吉田さんの手にかかれば様々なアレンジ餃子として大変身します。まずはオーソドックスな鶏白湯の炊き餃子。鶏からじっくり釜炊きしてとった白湯スープで水餃子をグツグツと炊き上げます。ごま油で香り付けをして、ごまと小口ネギを散らせば完成。冷製ジェノベーゼ餃子で使ったタピオカ粉入りの水餃子は炊きこんでも煮崩れせずに美味しさを保ちます。これからの冬の季節に身体を芯から温めてくれる餃子ですね。
汗をどばっとかきたい時におすすめなのがトマト担々餃子。地元のサッカーチーム浦和レッズの応援メニューとして誕生したアレンジ餃子で浦和レッズサポーターのように熱い餃子です。清湯スープをベースに、トマトや胡麻ペーストなどを加えて辛いだけではなく酸味や甘みも活かした炊き餃子を創り上げています。
これらの他にも様々な種類のスープ餃子にも吉田さんは挑戦しています。例えば丸虎ではタイ料理の代表格トムヤンクンと海老餃子を合わせたり、フランス家庭料理のオニオングラタンスープにモチモチ皮の水餃子を合わせたり、北海道のスープカレーをアレンジした餃子メニューなども提供しています。スープ餃子はスープの種類でアレンジができるので、ご家庭でも気軽に色々と挑戦できそうですね。

熱々グツグツの鶏白湯の炊き餃子
浦和レッズ応援メニューのトマト担々餃子
本格トムヤンクンスープ餃子

揚げ餃子も丸虎スタイルで大変身

揚げ餃子というと給食やお弁当のおかずのイメージが強く、餃子の中でも揚げ物の中でもややマイナーなポジションにありますよね。そんな揚げ餃子も吉田さんのアイデアと技術で一気に食卓の主役を張れる存在に生まれ変わっていました。
一品目は揚げ餃子照り焼きソースと半熟卵。前編でもご紹介しましたが丸虎餃子は独自の製法で餡に肉汁をギュッと閉じ込めているので揚げても旨味が逃げ出しません。揚げた丸虎餃子に特製のてりやきソースをたっぷり掛けます。更に黄身が半熟でとろっとした卵を餃子と一緒にたべると更に濃厚な味わいになります。これは子供にも大人にも喜ばれるアレンジ餃子ですね。
二品目はヤンニョム餃子です。今流行の韓国料理ヤンニョムチキンからアイデアを得たアレンジ餃子。揚げた餃子にコチジャンをベースにしたヤンニョムソースを絡めます。これをレタスで巻いてチーズソースをかければ完成。甘辛いヤンニョムソースとチーズソースの相性は抜群で、一気に揚げ餃子が韓国料理に変身しました。
子どもにも大人にも大人気の揚げ餃子照り焼きソースと半熟卵
韓国風にアレンジしたヤンニョム餃子
レタスで巻いて食べるスタイル
全二回に渡って様々なアレンジ餃子について吉田さんに教えていただきました。丸虎ではスープやソースを手間ひまかけて仕込んでいましたが、ご家庭では市販のスープやソースをうまく活用して試してみても面白いと思いますよ。

店舗情報
●店名:餃子専門
丸虎 MARCO
●所在地:埼玉県さいたま市浦和区北浦和4-6-1 ポピー北浦和A号
●営業時間:
 火~日、祝日、祝前日: 17:00~23:30
 (料理L.O. 22:30 ドリンクL.O. 23:00)
●定休日:月曜日 ※月曜日祝日の場合は翌日
●電話番号:048-829-9715
●公式サイト https://akr1984178425.owst.jp/
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塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)