大阪・福島で人気「餃子工房 ぬくり」(前編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は大阪からお届けです。
大阪の餃子といえばパリッと焼かれたひとくち餃子が人気です。ひとくち餃子は専門店で食べるか、お土産の冷凍餃子を自宅で焼くのが一般的で、家庭での手作り餃子のイメージはあまりないですよね。
そのイメージを払拭するため、大阪スタイルのひとくち餃子で人気の「餃子工房 ぬくり」にお伺いして、ひとくち餃子の作り方のポイントを学んできたので、皆さんにお伝えしたいと思います。
大阪・福島で人気の「餃子工房 ぬくり」
大阪で一番の餃子激戦地区とも言われる福島駅周辺の中でも、こだわりのひとくち餃子で人気を集めているのが「餃子工房 ぬくり」です。生姜料理専門店を母体とするぬくりでは、オーナーシェフの中村壽一さんが長年の研究の末に完成した生姜を活かした餃子が提供されています。
「生姜料理専門店として冬は看板メニューの生姜鍋がよく出ていましたが、夏の看板メニューとなるものが欲しくてビールに合う餃子の開発にたどりつきました。」と当時を振り返る中村さん。当初は、馬肉を使った餃子など色々とチャレンジしたが失敗続きで大変苦労されたそうです。
その中でたどり着いたのが「三種の貝の旨出汁餃子」でした。大阪スタイルのひとくち餃子に貝出汁と生姜をふんだんに使ってアレンジしたぬくりオリジナルのひとくち餃子です。
JR福島駅近くにある「ぬくり」 / 「餃子工房 ぬくり」の母体は生姜料理専門店
餃子工房の餃子メニュー / オーナシェフの中村壽一さん
人気のひとくち餃子
ひとくち餃子の材料と下準備
「ひとくち餃子は少ない餡で満足度を高めるために"旨味の強い素材が重要"」とのことで、素材選びが重要になります。まず最初に材料について教えてもらいました。
ベースとなる豚肉は滋賀の藏尾ポークを使用。飼料にバームクーヘンを使っていることから別名バームクーヘン豚とよばれ、甘みと旨味が凝縮されているのが特徴の豚肉です。細挽きのバームクーヘン豚にコク出しのために更に牛脂を追加しています。
野菜はキャベツとニラが中心で、椎茸とニンニクを少々。キャベツは塩もみにしてできるだけ水分を絞ります。餡を作る工程で出汁や白ワインなどを加えるので野菜の水分は極力抑える必要があるそうです。椎茸はうま煮にして味付けをします。またぬくりの餃子の特徴の一つでもある生姜は、おろしてしまうと出汁や調味料の風味に負けてしまうので、大きめにカットして包む際に餡に加えます。
そして、ぬくりのひとくち餃子の旨味を決める最大のポイントが貝出汁です。「家庭では出汁の素で代用もできるかもしれませんが、出汁をとることはそれほど大変なことではないので試してほしい。」と中村さん。ぬくりでは、しじみを中心にあさりとはまぐり、昆布を使って出汁を取ります。これらの材料を水からアクをとりながら煮出すこと10分~15分程度、その後ざるで濾したら旨味抜群の貝出汁の完成です。出汁をとるというと身構えてしまいますが、意外と簡単なんですね。
バームクーヘン豚のひき肉に牛脂を足してコクを出す / 水気をギュッと絞られたキャベツ
細かく刻まれたニラ / 大きめにカットされたゴロゴロ生姜
旨味の決め手は3種の貝からとる出汁
ひとくち餃子の餡づくりのポイント
材料の準備が整ったら餡を作っていきます。餡づくりは混ぜる順番が重要です。まず最初に豚肉のミンチに牛脂を足し塩とコショウで下味をつけます。ここに粗熱をとった貝出汁を注ぎよく練り込んで豚肉に出汁を吸わせれば肉餡のベースが完成です。
続いて、白ワインやオイスターソース、ごま油といった調味料と細かく刻んだニンニクと椎茸のうま煮をよく混ぜます。餡の量に対してごま油の量が非常に多いのに驚きましたが、焼く際に餡からごま油が滲み出ることで香ばしくなり食感もパリッとした軽い感じに仕上がるため、これがとても重要なのだそうです。これをベースの肉餡に混ぜていくと、かなり柔らかくプルプルとした状態になります。
ここにキャベツとニラを足して軽く混ぜます。野菜を先に入れてしまうと野菜からどんどん水が出てきてしまうので最後の最後に足すのが重要です。材料を混ぜ終わった餡を冷蔵庫で一晩寝かせれば完成です。時間を置くことで味が馴染んでくれるとともに、冷蔵庫で冷やすことにより餡の脂分が固まって包みやすくなります。
調味料とニンニク、椎茸をよく混ぜる / 調味料を投入し練り込んだ餡
野菜は水気が出るので最後に投入
野菜と肉餡は軽く混ぜたら冷蔵庫で寝かせる / 餡を冷やすと脂が固まって包みやすくなる
ひとくち餃子
★「ひとくち餃子」の材料&調味料は以下になります。
<材料>
豚ひき肉、牛脂、キャベツ、ニラ、生姜、椎茸、ニンニク
<貝出汁>
しじみ、あさり、はまぐり、昆布
<調味料>
ごま油、オイスターソース、白ワイン、はちみつ、味噌、かつお粉、昆布粉
<材料>
豚ひき肉、牛脂、キャベツ、ニラ、生姜、椎茸、ニンニク
<貝出汁>
しじみ、あさり、はまぐり、昆布
<調味料>
ごま油、オイスターソース、白ワイン、はちみつ、味噌、かつお粉、昆布粉
店舗情報
●店名:餃子工房 ぬくり
●所在地:大阪府大阪市福島区福島7-7-9
●営業時間:17:00~23:30(ラストオーダー22:30)
●定休日:毎週月曜日+不定休
●電話番号:06-6451-3588
●通販ショップ: https://nukuri.base.shop/
●Instagramアカウント :https://www.instagram.com/gyouzanukuri
●店名:餃子工房 ぬくり
●所在地:大阪府大阪市福島区福島7-7-9
●営業時間:17:00~23:30(ラストオーダー22:30)
●定休日:毎週月曜日+不定休
●電話番号:06-6451-3588
●通販ショップ: https://nukuri.base.shop/
●Instagramアカウント :https://www.instagram.com/gyouzanukuri
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塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)