進化系の餃子たち

2021.04.01

「塚田編集長に聞いてみたい12の餃子のコト」では、読者のみなさまからいただいたテーマや質問に、塚田編集長がお応えする形で餃子コラムを展開していきます。
 今年の1月から2月にかけてNHKの「趣味どきっ!」という番組で、会員制餃子店「蔓餃苑」のオーナーシェフであるパラダイス山元さんが全8回にわたって様々な餃子の作り方を教えてくれる企画が行われていました。
 毎回3種類の餃子を紹介していたのですが、餡の具材も包み方も調理方法もバリエーション豊富で、餃子の可能性がどんどん広がっていることを改めて感じました。
 今回は「日本で食べられる変わり種や新しい餃子はありますか?」というご質問をいただいたので、王道の餃子とは対極にある進化系の餃子をご紹介したいと思います。




 

見た目も美味しい映える餃子

 料理の写真や動画をSNSで共有することが当たり前になってきた昨今、餃子にも「映え」が求められるようになってきました。食べて美味しいだけでなく見た目も美味しい餃子が続々と誕生しています。
 数年前に韓国料理の「チーズダッカルビ」が大ブームになりましたよね。実はこのチーズダッカルビを模した餃子が「映える餃子」として密かなブームになりました。チーズダッカルビと同様にホットプレートや鉄板の両サイドに焼いた餃子を並べ真ん中にチーズを敷き詰めます。熱せられてとろけていくチーズを餃子に絡めて食べます。ご自宅でも簡単にできる「映える餃子」ですのでお試しください。
 カラフルな皮で人気を博している「映える餃子」もあります。神戸にある「大鳳餃子」という餃子専門店の「マカロン餃子」という9種類の色の皮をつかった餃子がメディアで大注目を集めてます。皮を作るときに野菜パウダーやいかすみ等を練りこみカラフルな餃子を実現しています。それぞれの皮に合わせて、タケノコや梅、イカ、牛すじなど餡の具材も工夫していてとても美味しいです。ちょっとしたお土産やホームパーティーなどで大活躍する餃子です。




 

餃子の概念を覆すご当地餃子

 ご当地餃子の中には、王道系の餃子とは全く異なる地域独自の進化を遂げた餃子もあります。
 静岡県沼津市には地元で長年愛される「中央亭」という餃子専門店があります。連日開店と同時に行列ができ、大みそかのお持ち帰り餃子にいたっては何か月も前に売り切れてしまうという驚きの人気っぷりです。こちらの餃子の人気の秘密はその調理方法。フライパンで餃子にパリッとした焼き目をつけた後に、なんとお湯で茹でてしまうのです。初めて見たときにはしなっとした状態で出てきた餃子に驚きましたが、実際に食べてみると香ばしさが加わった水餃子のような風味でとても美味しかったのを覚えています。
 大阪府高槻市にも驚きの進化を遂げた餃子があります。その名も「高槻うどんギョーザ」。主婦のアイデアで昭和50年代に誕生したと言われる家庭料理で、今ではご当地B級グルメとしてテレビや雑誌に取り上げられています。餃子の餡を皮で包むのではなく、細かく刻んだうどんと混ぜて丸い形に焼くのが特長。これを餃子のタレやポン酢などをつけて食べます。見た目は小さなお好み焼きの様ですが味は餃子というユニークな餃子です。ご家庭でも簡単に作れますよ。



 

アスリートにもヴィーガンにも餃子はおすすめ

 餃子はもともと、「炭水化物」「タンパク質」「脂質」「ミネラル」などがバランスよく含まれている食事として重宝されてきましたが、ここ数年で加速する「健康志向ブーム」を背景に、美容や健康に高い関心を持つ方々向けにさらに進化した餃子も登場しています。
 ダイエット中の方やアスリートを意識した「高たんぱく」「低糖質」「低カロリー」を標榜する餃子が登場しています。餡に高たんぱく質で低脂質の鶏ささみ肉を使ったり、餃子の皮の代わりに薄切りの大根を使ったりと、色々と工夫した商品やレシピが出ています。餃子は調理方法やタレで工夫できるので飽きが来ないのも良いですよね。。
 日本の餃子が世界に広がる中で、ベジタリアン、ヴィーガンといった多様化する食習慣に応える餃子も登場してきました。もともと肉の代わりに豆腐やオカラを使ったり、野菜だけで作る餃子などはありましたが、最近ではソイミートなどの代替肉が進化していて肉を使った餃子と遜色ない風味の餃子も誕生しています。


 

塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は1000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)