日本一作るのが面倒な餃子が食べられる餃子BAR「Wing Village」(前編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、中野にある手延べ餃子BAR「Wing Village」オーナー兼総料理長の加藤達也さんに、自称「日本一作るのが面倒な餃子」の作り方を教えていただきました。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、中野にある手延べ餃子BAR「Wing Village」オーナー兼総料理長の加藤達也さんに、自称「日本一作るのが面倒な餃子」の作り方を教えていただきました。
自称「日本一作るのが面倒な餃子」が食べられる餃子BAR
中野にある手延べ餃子BAR「Wing Village」は、BARスタイルでありながら本格的かつ独創的な餃子が食べられるお店として、多くの餃子ファンに慕われています。
オーナー兼総料理長の加藤達也さんは、専門学校で中国料理を学び、その後、テレビの料理番組やドラマの調理スタッフとして様々なジャンルの料理を経験を積み、完全予約制コースを提供する人気ラーメン店の料理長を経て、2016年に「Wing Village」を創業しました。
「Wing Village」では、自称「日本一作るのが面倒な餃子」として加藤さんの餃子へのこだわりと調理技術を集結させた餃子を提供しています。また、加藤さんは多様な料理のバックグラウンドを活かして、ピザの様なマルゲリータ餃子やコーンポタージュを皮で包み込んだコンポタ餃子など、様々な料理と餃子を融合した独創的な餃子も提案しています。
「Wing Village」オーナー兼総料理長の加藤達也さん
打ち粉を使わないこだわりの手延べ皮
看板に「手延べ餃子BAR」を掲げている通り「Wing Village」では、お店で手延べをしたモチモチ食感の皮が特徴の一つです。
小麦粉に水と塩、油を足して練って生地を作ります。伸びにくく食感の強い皮にするため加水率は低めの40%程度に抑えています。練った生地は1~2日寝かして馴染ませることで、小麦の甘い香りが出てきます。また生地に少し油を足すことによって、餃子を冷凍した際に皮のひび割れを防いでいるのだそうです。
皮を伸ばすときのこだわりは打ち粉をしないこと。「打ち粉を使うと、せっかく生地を寝かせて出た小麦の香りが消えてしまいます。また粉がお湯に溶けるとお湯の沸点が下がってしまうんです。」と加藤さん。打ち粉をしないため皮はくっつきやすく、皮を少し伸ばしてはすぐに餃子を包む必要があります。
打ち粉を使わないこだわりの手延べ皮
ゴロゴロお肉とザクザク野菜
続いては「日本一作るのが面倒な餃子」の餡作りの工程です。豚肉は肩ロースと豚トロの二種類の部位を使います。肩ロースは中華包丁で叩いてミンチ状に、豚トロはダイス状にカットとそれぞれ切り方も変えています。キャベツは粗みじん切りにしてから塩もみをして水分を抜くことでザクザクとした食感を演出しています。
味付けは塩がベースで、コショウ、砂糖、醤油、焦がしネギで風味付け。更に昆布と鰹でとったお出汁も餡に練りこみ旨味を足しているとのこと。餡を練りこむ際には、手の熱が伝わらない様に敢えて機械で混ぜます。理由があれば手作業にこだわらないのも加藤さん流儀の様です。
餡を混ぜる順番も美味しい餃子を作るための重要なポイントです。加藤さんは、「ニラやネギ、生姜などの香味野菜は最後に軽く混ぜます。香味野菜は混ぜすぎると嫌な匂いが出てしまうんです。」と解説してくれました。
餡づくりもものすごく"面倒な"作業を積み重ねていますね。
ゴロゴロお肉とザクザク野菜の餃子
茹でてて、締めて、焼く
一般的な焼き餃子は蒸し焼きにしますが、「Wing Village」ではまず茹でる工程から始まります。茹でることで、厚めの皮はモチモチ食感になり、たっぷり包み込んだ餡の奥までしっかり火が通ります。
続いて茹でた餃子をフライパンで焼くのかと思いきや、加藤さんは冷水で餃子を締め始めました。「水で締めて餃子の表面近くの温度を一旦下げます。そのまますぐにフライパンで焼くと、餡の中身が一気に沸騰して餃子が開いてしまうことがあります。」と加藤さん。焼き目を付けるときも急激に温度が上がらない様にフライパンの蓋もしません。
焼きあがった餃子は、焼き面のサクサク食感と皮のモチモチ食感の絶妙なコントラスト。皮の中にはゴロゴロとした豚トロが印象的な餡がギュッと詰まっています。ジューシーなのにくどさを感じないのも驚きでした。大きい餃子なのにどんどん箸が進んでしまう、そんな不思議な餃子でした。
自称「日本一作るのが面倒な餃子」は、私の想像はるかに上回る"面倒さ"ではありましたが、その"面倒"を超えた先には他では食べられない素晴らしい餃子が待っていました。
カリッモチッとした焼き餃子
皆さんのご自宅での餃子作りにも、少し取り入れてみてはいかがでしょうか。
店舗情報
●店名:「手延べ餃子BAR Wing Village」
●所在地:〒164-0001 東京都中野区中野2-28-1 中野JMビルB1F
●営業時間:17:00~22:00
●休業日:水曜日
●電話番号:03-6382-8022
●公式サイト 「手延べ餃子BAR Wing Village」公式サイト
●店名:「手延べ餃子BAR Wing Village」
●所在地:〒164-0001 東京都中野区中野2-28-1 中野JMビルB1F
●営業時間:17:00~22:00
●休業日:水曜日
●電話番号:03-6382-8022
●公式サイト 「手延べ餃子BAR Wing Village」公式サイト
塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)