50種類の手作り餃子の食べ比べができる「餃餃者」(後編)
餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、前回に引き続き川崎「餃餃者」の郝晶(ハオジン)さんに教わった大連仕込みの餃子づくりの秘訣についてお届けします。
餃子に使える香味野菜
前回、中国では餃子の餡の具材にニンニクはあまり使わないというお話をお聞きしました。一方でニンニク以外の香味野菜を使った餃子は色々とあるそうで、ニラやしそといった日本でもよく使われる食材以外で餃子に合う香味野菜について教えてもらいました。
「セロリは餃子で使う代表的な香味野菜の一つです!」と真っ先に名前が挙がったのがセロリ。細かくみじん切りにしたセロリをキャベツと豚肉ベースの餡と軽く混ぜるだけ。セロリ独特の苦味と香り、そして食感が豚肉の餃子にアクセントを付けてくれますね。
もう一つ「パクチー大根餃子」という餃餃者の人気餃子の作り方も教えてもらいました。後述の大根焼餃子の餡にパクチーを加えます。パクチーは葉の部分は大きめに、茎の部分は小さめに切るのがポイント。パクチーの香りと大根の甘みが印象的な餃子でした。
更に、他にどのような香味野菜が餃子に合うのかを尋ねたところ現在はメニューにないですが、「冬の季節に旬になる春菊も餃子におすすめの食材です。春菊餃子は日本人にも人気ですね。」と郝さん。また、中国でよく使われる香味野菜として茴香(ホイシャン)という食材を教えてもらいました。茴香というのはフェンネルのことで、肉料理や魚料理に添えられているイメージが強いですが、餃子の餡に使うと美味しいとのことでした。
セロリは細かくみじん切り / 豚肉セロリ焼餃子の餡
大根とパクチーの焼餃子の餡
羽根をつけてパリッと焼き上げる
きのこや根菜も餃子によく合う
ここまで、キャベツや白菜、各種香味野菜など葉ものを中心に餃子に合う食材をたくさん紹介してもらいましたが、他の食材についてもお聞きすると「きのこ類は食感や風味のアクセントになるので、餃子の食材として適しています。乾物として季節問わずに入手できるので使い勝手も良いです。」とのこと。
代表的なきのこの餃子として「黒キクラゲ餃子」と「生しいたけ餃子」の作り方を教えてもらいました。水で戻した乾燥キクラゲを大きめにカットしてベースの餡と軽く混ぜることで食感の特徴が出やすくなるそうです。コリコリとした食感が印象的な餃子でした。しいたけも粗目にみじん切りにしてベース餡に混ぜます。しいたけ餃子は凝縮された旨味が口の中に一気に広がってとても美味しかったです。
「寒い時期の食材だと大根やれんこんなど根菜類もお勧めです。」と郝さんが次の餃子に取り掛かりました。大根はスライサーを使ってツマのように細切りにしたものを豚肉の餡とよく混ぜます。大根が豚肉の肉汁の旨味を閉じ込めてくれるそうです。れんこんの餃子は細かくみじん切りにしたものをベース餡と混ぜるだけ。れんこんのシャキシャキとした食感が良いアクセントになっていました。
黒キクラゲ焼餃子
生しいたけ焼餃子
豚肉とれんこん焼餃子
豚肉と大根焼餃子
大連仕込みの海鮮餃子
中国でも有数の港町である大連仕込みの餃子ということで海産物を使った焼餃子についても教えてもらいました。
海鮮餃子の定番といえば海老。ベースの餡の上にむき海老をまるごとのせて皮で包みます。海老をまるごと使うことで海老の存在感が抜群の餃子になります。プリプリっとした海老の食感と甘みが特徴的な餃子でした。
「大連では貝類を使った餃子もよく食べます。」と、あさり焼餃子を紹介してくれました。あさりは日本でもいろいろな料理に使われる食材の一つですが、餃子に使うのは珍しいですよね。むき身のあさりをベース餡と混ぜてから皮で包みます。あさりの旨味と食感が餃子とも良く合っていました。
最後にちょっと贅沢な海鮮餃子ということで、かきを丸ごと使う「かき大根焼餃子」の作り方を見せてもらいました。最初に大判の皮の上に直接かきを丸ごとのせます。かきの上に豚肉と大根の餡をのせて包みます。「包むのはちょっと難しいですが、かきの美味しさを逃さずに活かすために丸ごと使っています。」と丸ごとかきを使う理由を説明してくれました。その言葉の通りかきの風味が口の中に目一杯広がる餃子でした。
むきえびを一匹丸ごと包む / プリプリとした食感の海老焼餃子
あさり焼餃子
大判の皮でかきを丸ごと贅沢に包む
二回にわたって餃餃者の郝さんに餃子に合う様々な食材について教えてもらいました。皆さんも色々と試してみてお好みの餃子を見つけてみてください。
店舗情報
●店名:餃餃者(ぎょうぎょうしゃ)
●所在地:神奈川県川崎市川崎区貝塚1-4-18
●営業時間:
月~金、祝前日:11:30~14:00、17:00~23:30
土、日、祝日:11:30~15:00、17:00~23:30
●定休日:不定休
●電話番号:044-211-1288
●公式サイト https://gyougyousya.owst.jp/
●店名:餃餃者(ぎょうぎょうしゃ)
●所在地:神奈川県川崎市川崎区貝塚1-4-18
●営業時間:
月~金、祝前日:11:30~14:00、17:00~23:30
土、日、祝日:11:30~15:00、17:00~23:30
●定休日:不定休
●電話番号:044-211-1288
●公式サイト https://gyougyousya.owst.jp/
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塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)