餃子に使う野菜

2020.12.01

「塚田編集長に聞いてみたい12の餃子のコト」では、読者のみなさまからいただいたテーマや質問に、塚田編集長がお応えする形で餃子コラムを展開していきます。
餃子は夏バテ対策とかビールとの相性の良さから夏のイメージが強いですが、餃子に使う白菜や冬キャベツといった野菜が冬に旬を迎えるため、実は冬が餃子が一番おいしくなる季節なんです。
今回は、読者の方からちょうど「餃子の野菜って何が使われること多いですか?」という質問をいただいたので、野菜に注目してみたいと思います。

キャベツ vs. 白菜

まず餃子に使われる定番の野菜といえばキャベツと白菜。お店やご家庭でもどちらかを選ぶことが多く、餃界はキャベツ派と白菜派とで二分されるほどです。
歴史のあるご当地餃子の具材をみると日本有数のキャベツの産地である渥美半島に近い浜松では餃子の野菜といえばキャベツ一択。一方で白菜の産地は北関東に多く、宇都宮や福島の餃子では白菜を使う比率が上がってきます。また更に北上して中国東北部に行くと同じ白菜でも漬物にした酸菜が使われます。極寒の冬を越えるための保存食である酸菜が餃子にも使われているのです。
キャベツは甘味の強く食感もしっかりした野菜なので、ニンニクなどの香味野菜でしっかり風味付けをした餃子の中でも存在感をだしてくれます。また寒玉は年中安定して流通しているのお店の餃子では使いやすいとされています。一方で白菜は、味はあっさりしていますが旨味が強いのが特徴です。素材の旨味を活かした餃子を作る時には向いています。
それぞれ特徴が異なるので、味わいたい餃子によって野菜を使い分けるのがおすすめです。

地域によって変わる餃子の野菜

ご当地餃子を食べ歩いているとちょっと変わった野菜を使った餃子に出会うことがあります。例えば福岡の老舗餃子店ではキャベツや白菜の代わりに玉ねぎを使う餃子に良く出会います。この地域の餃子には豚肉ではなく牛肉が使われることが多いのですが、味の濃い牛肉との相性やお隣の佐賀が玉ねぎの産地というのも影響で玉ねぎが選ばれている様です。
また広島の餃子では観音ネギという青ネギを使った餃子を出すお店が有ります。広島のお好み焼きにどっさりとかかっているあのネギです。観音ネギはキャベツや白菜に比べて辛味と甘味が強く、ニンニクとの相性がとても良いです。広島では具だけでなく“たれ”にも小口切りにした観音ネギをたっぷりと入れて食べます。
地元の野菜を使って新たなご当地餃子に取り組んでいる地域もあります。仙台では伝統野菜の仙台雪菜を使った仙台あおば餃子というご当地餃子を開発し町おこしを行っています。仙台雪菜は、甘味とほろ苦さが特徴のお野菜です。この仙台雪菜を皮と餡に使い、見た目も鮮やかで野菜の風味が強く感じられる餃子に仕上がっています。鍋料理にも合うのでこれからの季節はおすすめの餃子です。

季節の野菜で餃子をアレンジ

ご家庭で楽しむときもキャベツや白菜を使うことが多いですが、季節にあわせて旬の野菜を活用すると一気に餃子の幅が広がりますよ。
春だったらタケノコや菜花やアスパラガスなど彩のある野菜を使うと華やかなイメージの餃子になります。夏はトマトやゴーヤ、ピーマン、トウモロコシなど酸味や甘味、苦みなどの味の強い野菜が意外と餃子に合います。秋はキノコがおいしい季節なので、旨味抜群のキノコ餃子がおすすめです。
そして、これからの冬の季節におすすめしたいのは春菊です。軽く塩もみをしてから餡に混ぜ込めば春菊の独特の苦みも押さえられて、香りの豊かな餃子が楽しめます。焼餃子にしても水餃子にしてもおいしいですよ。また冬野菜といえば身体を中から温めてくれる根菜。実は根菜も餃子に使えるんですよ。中でもレンコンや長芋がおすすめです。細かく刻んで餡に入れればサクサクとした食感のアクセントになりますし、すりおろして餡に入れるとふんわりとした餡ができあがります。
餃子は旬の野菜の風味や栄養をギュッと閉じ込めてくれるので、ぜひ色々と試してお好みの餃子を見つけてみてくださいね。

塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は1000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)