6年連続「餃子購入頻度日本一」の宮崎市(上巻)
東京餃子通信編集長の塚田です。<今回から新たに「塚田編集長の日本餃子巡礼」が始まります。
日本には、全国各地にその土地ならではの個性をもった餃子がたくさんあります。食材の違いや包み方、焼き方はもちろん、その土地に餃子が根付いた背景にも、それぞれの物語があります。この「塚田編集長の日本餃子巡礼」では、そんなご当地餃子の要所を訪ね、実際に歩き、味わい、その魅力を掘り下げていきます。
読者の皆さんにも、一緒に現地を旅しているような気分で楽しんでいただけたらと思います。さあ、日本の餃子を巡る旅へ出かけましょう!
6年連続「餃子購入頻度日本一」の宮崎市
「餃子のまち」といえば宇都宮や浜松が有名ですが、実は宮崎も見逃せない餃子のまちだということをご存じでしょうか。総務省家計調査によると、宮崎市の餃子の支出額は2023年、2024年と2年連続で全国2位。さらに購入頻度は2020年から2025年まで6年連続で全国1位です。
宮崎で地元のスーパーに行くと様々な種類の餃子が並んでいて、餃子が家庭の食事に浸透していることを実感します。また単に消費額が多いだけでなく、定番の手土産として使われたり、地域によっては冠婚葬祭の贈答品として用いられたりするなど、深く地域の食文化に根差した存在となっています。また、県内屈指の繁華街であるニシタチ周辺には多くの餃子店が立ち並び、お酒のお供としての存在感も確立しています。
2020年には宮崎市ぎょうざ協議会が、2022年には宮崎県ひなた餃子連合会が立ち上がり、宮崎市や高鍋町をはじめ、県北、県西まで含めた県内の餃子店が連携しながら、宮崎の観光資源としての餃子のPR活動などを行っています。餃子の観光マップの提供やメディア発信などが功を奏し、最近ではわざわざ足を運びたい「餃子のまち」としても注目を集めています。
宮崎市はテイクアウト需要も強いですが、ニシタニ周辺には餃子店が多数あります。
宮崎の食材を活かした餃子
宮崎は温暖な気候で日照時間も長く、農業や畜産業が非常に盛んな地域です。このため、餃子作りに必要な食材の多くを地元産でまかなうことができます。
宮崎県は、ニラやニンニク、ショウガなど、餃子に欠かせない香味野菜の生産が盛んです。また、餃子のまちとして有名な高鍋町は、九州でも有数のキャベツ産地としても知られています。畜産業に目を向けても、豚の飼育頭数は全国トップクラスです。育成方法にこだわったさまざまなブランドポークも生産されています。牛肉や鶏肉なども数多く生産されており、良質な食材に恵まれています。
宮崎では、このように多様な地元食材を活かしたさまざまな餃子に出会うことができます。例えば、サラダ油ではなく良質なラードを使ってカリッと揚げ焼きにする「黒兵衛」スタイルの餃子、キャベツの甘みを活かした「ぎょうざの丸岡」スタイルの餃子などが挙げられます。これらの餃子はいずれも素材のおいしさを活かしていて飽きがこないため、何個でも食べられてしまうという共通の特徴があります。こうした点が、宮崎県の餃子購入頻度の高さにもつながっているのかもしれません。
餃子のまちとしても有名な高鍋町は野菜の生産も盛んです。
「黒兵衛」から始まった宮崎の餃子文化
1955年に延岡で創業した「黒兵衛」は、宮崎の餃子文化の一つのルーツとされています。満州からの引揚者だった創業者が、満州で餃子の作り方を学び、延岡で店を始めました。この「黒兵衛」で修業して独立した店として、宮崎県高鍋町の名店「餃子の馬渡」や「たかなべギョーザ」などが挙げられます。
宮崎市のニシタチ周辺でも「黒兵衛」の餃子は楽しめます。1978年に創業者の息子さんが始めた「黒兵衛」の2号店では、今でも創業者直伝のレシピを守り、創業当時と変わらない餃子を提供しています。宮崎キャンプを行うスポーツ選手が通う店としても有名で、宮崎の餃子を代表する店として県内外の多くの餃子ファンに愛されています。
「黒兵衛」の餃子の餡は8割がキャベツ。そこに玉ねぎ、ニラ、豚と牛の合挽き肉などが加えられ、しっかりと練り上げられています。玉ねぎや牛肉は、宮崎をはじめとする九州の餃子でよく見られる食材です。餡からは、野菜の甘みと牛肉のコクが感じられます。
そして「黒兵衛」の餃子の味を決定づけるのがラードです。自家製の皮で包んだ餃子を、ラードを使って焼き上げます。鉄鍋でカリカリに揚げ焼き気味に仕上げた餃子からは、ラードの甘くコクのある風味が立ち上ってきます。野菜中心の小ぶりな餃子で軽やかなのに、満足度が高いのが不思議です。皆さんも実際に食べると驚くと思います。
野菜たっぷりの「黒兵衛」の餃子
宮崎以外の地域ではなかなか出会えないタイプの餃子なので、ぜひ現地で味わってみてください。
宮崎市ぎょうざ協議会
●公式サイト:
https://miyazakigyoza.com/
●公式サイト:
https://miyazakigyoza.com/
店舗情報
●店名:黒兵衛本店
●所在地:〒880-0006 宮崎県宮崎市千草町1
●電話番号:0985-24-4268
●公式サイト:
https://miyazaki-gyoza-kurobee.myshopify.com/
●店名:黒兵衛本店
●所在地:〒880-0006 宮崎県宮崎市千草町1
●電話番号:0985-24-4268
●公式サイト:
https://miyazaki-gyoza-kurobee.myshopify.com/

塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)








