世界の餃子について
「塚田編集長に聞いてみたい12の餃子のコト」では、読者のみなさまからいただいたテーマや質問に、塚田編集長がお応えする形で餃子コラムを展開していきます。
長い梅雨がようやく終わり夏本番。暑い日が続くようになって来ましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
今回は「日本や中国以外にも餃子を食べる国はありますか?」というご質問をいただきました。餃子の厳格な定義をすることは難しいのですが、実は調理方法や材料が餃子に似ている料理は世界中の家庭料理として存在しています。
世界の餃子には餡の具材やソースなど日本では馴染みの薄い食べ方もあって、自宅のアレンジ餃子のアイデアとしても使えるので、いくつかご紹介したいと思います。
今回は「日本や中国以外にも餃子を食べる国はありますか?」というご質問をいただきました。餃子の厳格な定義をすることは難しいのですが、実は調理方法や材料が餃子に似ている料理は世界中の家庭料理として存在しています。
世界の餃子には餡の具材やソースなど日本では馴染みの薄い食べ方もあって、自宅のアレンジ餃子のアイデアとしても使えるので、いくつかご紹介したいと思います。
餃子で繋がる韓国とトルコ
中国と日本の間に位置する朝鮮半島には、当然ながら餃子風の料理は存在します。
韓国語では餃子のことを「マンドウ」と呼びます。語源は中国語の「マントウ(饅頭)」です。日本だと饅頭と言ったら甘いお菓子を指すことが多いですよね。
韓国語では餃子のことを「マンドウ」と呼びます。語源は中国語の「マントウ(饅頭)」です。日本だと饅頭と言ったら甘いお菓子を指すことが多いですよね。
韓国のマンドウは、小麦の皮で豚肉や牛肉を包みます。キムチも一緒に練りこまれていることもあります。スープでグツグツと煮込むのが一般的な食べ方ですが、蒸したり焼いたりして食べることもあります。水餃子よりも大き目で食べ応えのある印象がありますね。
一方で韓国から遠くはなれたアジアの再西端に位置するトルコでは餃子の事を「マントゥ」と呼びます。
トルコのマントゥは、親指の先ぐらいの超小粒な餃子です。餡の具材には羊肉を使い茹でて食べます。にんにく風味のヨーグルトソースや辛味オイルをかけて食べるのですが、このソースがクセになります。
トルコのマントゥは、親指の先ぐらいの超小粒な餃子です。餡の具材には羊肉を使い茹でて食べます。にんにく風味のヨーグルトソースや辛味オイルをかけて食べるのですが、このソースがクセになります。
シルクロードを通じた交易でアジアの東端と西端の餃子文化が繋がっていたという事を考えると浪漫がありますよね。
ロシアを中心とする餃子文化
ロシアでは餃子風料理は「ペリメニ」と呼ばれ冬場の保存食の定番です。
餡の具材には豚肉と牛肉の合い挽肉を使うことが多く、玉ねぎやニンニクが練りこまれています。大量に作り置きしたペリメニは冷凍保存をしておき茹でて食べるのが基本ですが、溶かしバターやサワークリームをつけたり、スープに入れたり、時には焼いて食べたりと調理方法は様々です。
餡の具材には豚肉と牛肉の合い挽肉を使うことが多く、玉ねぎやニンニクが練りこまれています。大量に作り置きしたペリメニは冷凍保存をしておき茹でて食べるのが基本ですが、溶かしバターやサワークリームをつけたり、スープに入れたり、時には焼いて食べたりと調理方法は様々です。
ロシアの周辺の中央アジアや東欧諸国にも餃子風料理が広く存在しています。
ジョージアには「ヒンカリ」という巨大な小籠包の様な形状をした水餃子があったり、アゼルバイジャンには「ギューザ」という「ギョーザ」に似た名前の料理もあったりします。
ジョージアには「ヒンカリ」という巨大な小籠包の様な形状をした水餃子があったり、アゼルバイジャンには「ギューザ」という「ギョーザ」に似た名前の料理もあったりします。
東欧ではウクライナの「ヴァレーニキ」やリトアニアの「コルデゥナイ」、ポーランドの「ピエロギ」などの餃子風料理が存在します。
これらの餃子風料理は挽肉を使うこともありますが、キノコやチーズなど餡の具材のバリエーションは豊富で、茹でて食べるのが一般的です。
これらの餃子風料理は挽肉を使うこともありますが、キノコやチーズなど餡の具材のバリエーションは豊富で、茹でて食べるのが一般的です。
インドやアフリカの餃子は揚げて食べる
インド周辺地域にはサモサという餃子風料理が存在します。
茹でてつぶしたジャガイモに香辛料を加え小麦粉の皮で三角形に包みます。調理方法は揚げるのが一般的です。スナック的に食べるのですが、餡がジャガイモでサイズも大きめなのでかなり食べ応えはあります。
茹でてつぶしたジャガイモに香辛料を加え小麦粉の皮で三角形に包みます。調理方法は揚げるのが一般的です。スナック的に食べるのですが、餡がジャガイモでサイズも大きめなのでかなり食べ応えはあります。
サモサはカザフスタンなど中央アジアに行くと「サムサ」と呼ばれます。
シリアやエジプトなどのペルシャ諸国には「サンブーサ」と呼ばれる類似の料理があります。またケニアやタンザニアにもインド人がサモサを持ち込み、今では一般的に食べられるようになっています。
シリアやエジプトなどのペルシャ諸国には「サンブーサ」と呼ばれる類似の料理があります。またケニアやタンザニアにもインド人がサモサを持ち込み、今では一般的に食べられるようになっています。
更にはチュニジアなど西アジアの地域には「ブリック」と呼ばれる料理もあります。
サモサとは異なり大きく薄く伸ばした小麦の皮でツナや卵を包んでから揚げたものです。皮の中にとじこめられた半熟の卵がとろりとしていておいしいです。ハリッサというペースト状の唐辛子をつけて食べるのが一般的です。
サモサとは異なり大きく薄く伸ばした小麦の皮でツナや卵を包んでから揚げたものです。皮の中にとじこめられた半熟の卵がとろりとしていておいしいです。ハリッサというペースト状の唐辛子をつけて食べるのが一般的です。
塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は1000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)