知られざるご当地グルメ「神戸餃子」(神戸市:上巻)
東京餃子通信編集長の塚田です。今回の「塚田編集長の日本餃子巡礼」は、前回までの浜松餃子に続いて、関西の港町・神戸の神戸餃子についてご紹介していきたいと思います。
知られざるご当地グルメ「神戸餃子」
「神戸で餃子?」と首をかしげた方も多いかもしれません。餃子の街といえばこれまで紹介してきた浜松、宮崎、そして宇都宮が思い浮かぶと思いますし、逆に神戸と聞けば、洋食やスイーツ、そして神戸牛とおしゃれな港町のイメージが先に立ちます。
ところが神戸には、地元の人が当たり前のように親しみながら、外にはあまり知られていない独特の餃子文化があるんです。それが、餃子に「味噌だれ」をつけて食べる「味噌だれ餃子」です。神戸っ子にとっては、味噌だれ餃子はいわゆるソウルフード的な存在でもあります。他の地域ではほとんど知られていないのに、地元では当たり前の存在の神戸餃子。このギャップが神戸餃子の魅力の一つかもしれません。
それではなぜ、神戸に餃子文化が根づいたのでしょうか?神戸には日本三大中華街の「南京町」があります。南京町は1868年(明治元年)の神戸港開港とともに中国の人々が移り住んだのが始まりで、以来この街には中華の食文化の土台が作られてきました。戦後になり旧満州から引き揚げてきた人々が故郷を懐かしんで焼き餃子を出すお店が神戸で評判を呼び、新開地や南京町、元町、三宮といった繁華街に餃子店が広がり神戸の餃子文化が根づいたと言われています。
日本三大中華街の「南京町」
神戸餃子の主役は味噌だれ
日本の多くの地域では酢醤油で餃子を食べるのが定番ですが、神戸では味噌ベースのいタレで食べるのが一般的です。味噌だれがここまで根づいているのは日本の中でもほぼ神戸だけと言ってよいほどの独特な餃子文化です。香ばしく焼かれた餃子に濃厚な味噌だれをタップリからめて食べるのが神戸流の食べ方です。甘辛くコクのある味噌だれの風味は、ご飯にもビールにも文句なしに合います。
神戸で餃子店を巡ると、お店ごとに味噌だれの味がまるで違うことに気が付きます。赤みそベースの濃いめ、白みそ仕立てのまろやか、赤と白の合わせみそと、味噌の種類も甘さ・辛さ・薬味の効かせ方も店ごとに個性があります。更には、味噌だれに醤油や酢、ニンニクを加えて自分好みにブレンドできるのも神戸餃子の大きな魅力です。是非、自分好みの味噌だれを見つけてみてください。
大手餃子チェーン店でも、神戸市内の一部のお店では味噌だれを出してくれたりします。また地元のスーパーマーケットに行くと瓶詰の餃子専用の味噌だれが販売されていたりもします。これらこそ、この食べ方が神戸の人々の舌に刻まれている何よりの証拠と言えるかもしれません。
神戸では味噌ベースのいタレで食べられてる各店の餃子
味噌だれ餃子発祥の店「元祖 ぎょうざ苑」
神戸の味噌だれ餃子、その発祥の店とされるのが、南京町のど真ん中に店を構える昭和26年の老舗店「元祖 ぎょうざ苑」です。私も神戸を訪れる際には、ほぼ毎回足を運んでいるお店です。
初代の頃末芳夫さんは、旧満州で日本食レストランを営んでおり、そこで中国人から作り方を学んだ餃子を日本人居住者向けに「焼いた餃子と味噌だれ」として出したところ大繁盛。終戦帰国後にその餃子を「日本でも広めたい」と、この神戸の地で餃子専門店を始めたところ神戸でも評判となり、やがて他のお店にも味噌だれ餃子として広がったと言われています。
その味噌だれを引き継ぐのは現店主の頃末灯留さんです。レシピは一子相伝とされ、今でも創業当時の味を守り続けているとのこと。「元祖 ぎょうざ苑」では、秘伝の味噌だれを醤油と酢、ニンニクを加えてブレンドして完成させます。お店のおすすめは、味噌だれ2:醤油1:酢1に、ニンニク少々というバランスだそうです。
「元祖 ぎょうざ苑」の餃子は、味噌だれだけでなく皮作りにもこだわりがあります。満州時代の作り方に習い、餃子を包む直前に手回しの製麺機で皮を伸ばし、丸く打ちぬいて皮を作っています。また、餡には豚肉に加えて少量の神戸牛を加えて旨味とコクを足しています。実際に餃子を食べてみると、皮の美味しさと餡の旨味の強さがあってこその味噌だれとの調和だということが良くわかります。
「元祖 ぎょうざ苑」の店舗と一子相伝の餃子
皆さんも、神戸を訪れる際には、餃子店を巡って味噌だれ餃子を食べ比べると、お店ごとの特徴が感じられて楽しいと思いますよ。下巻では、神戸で食べ歩きができる餃子の名店をご紹介したいと思います。
店舗情報
●店名:元祖 ぎょうざ苑
●所在地:〒650-0023 神戸市中央区栄町通2-8-11
●電話番号:078-331-4096
●公式サイト:
https://ganso-gyozaen.com/
●店名:元祖 ぎょうざ苑
●所在地:〒650-0023 神戸市中央区栄町通2-8-11
●電話番号:078-331-4096
●公式サイト:
https://ganso-gyozaen.com/

塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)










