水餃子、蒸し餃子、揚げ餃子も楽しもう

餃子の調理方法で真っ先に思いつくのは焼餃子ですよね。最近では海外でも焼餃子がGyozaで通じるようになりつつあるなど、焼餃子は世界からも注目されています。本コラムでもこれまで焼餃子についての話題を多く扱ってきました。

しかし餃子は自由な料理です。餡に使う具材が自由なのはもちろんのこと、調理方法だって自由。

今回はあえて焼餃子以外の調理方法に注目をして、餃子の魅力をもっと深掘りしてみたいと思います。
 

皮のおいしさが楽しめる水餃子

実は餃子の本場といわれる中国の東北地方では焼餃子は人気がなく、水餃子が最もポピュラーな調理方法です。中国では水餃子は麺類であり主食の一つとして食べられています。また、中国のお正月である春節には家族で集まって水餃子を作り、年越しを祝って食べるという縁起の良い食べ物だともされています。日本の年越しそばのような存在ですね。

私は水餃子が餃子の皮のおいしさを一番楽しめる調理方法ではないかと思っています。茹でることで皮の小麦の甘さ、モチモチっとしたコシのある食感、つるっとした喉越しが際立ちます。水餃子を食べると餃子が麺の仲間だということがよく分かると思いますよ。

水餃子は小麦粉を練って皮から作るのが一番なのですが、手間も時間もかかります。何より上手に丸く伸ばすためには高度な技術が必要になってきます。なので自宅で手軽に作る時には水餃子専用の皮を使う事をおすすめします。焼餃子の皮よりも強く作ってあるので煮崩れがしにくくなっています。モチモチ食感を強く出したい時には皮を2枚重ねて包むという方法もあります。

餡の具材は自由ですが中国の水餃子にはニンニクをいれないのが一般的です。ニンニクの風味が欲しい時には、つけダレの方にニンニクを足すのがおすすめです。

水餃子は鍋料理の具材としても活躍してくれます。博多では炊き餃子という餃子が主役の鍋があるほど。鍋料理だと餃子がグツグツと煮込まれ皮が柔らかくなるので、レンコンや鳥軟骨などシャキシャキ、コリコリとした食感のアクセントが出る具材を餡に足すと面白いですよ。

色々な形が楽しめる蒸し餃子

蒸し餃子も餃子の代表的な食べ方の一つで、中国でも人気の食べ方です。特に内陸部や南部の方でよく食べられます。私が中国の蒸し餃子初めて食べた時に驚いたのが、いろいろな包み方で細かな加工がされていることです。蒸し餃子は型崩れがしないので、金魚の形をしていたり、白菜の形をしていたり、帽子の形をしていたりと、いろいろな形の餃子が楽しめます。最近流行っているバラ餃子も蒸し餃子にした方がキレイなバラの形を再現できると思います。

蒸し餃子は、油を使わないのでとってもヘルシーな食べ方です。エビやホタテなどの海鮮類との相性もよいので、餡の具材を工夫して低カロリーの健康志向の餃子も自宅で作ることができると思います。

香港などの飲茶料理で出てくる蝦餃などの餃子では浮き粉で作った澄麺皮が使われることが多いのですが、澄麺皮を作るには専門的な技術が必要なので、焼餃子用の皮を使いましょう。

調理には蒸し器や蒸篭を使って蒸すのがベストではありますが、実はフライパンでもできてしまいます。フライパンに野菜やキノコなどを敷き詰めてその上から餃子を並べます。少し水を足して蓋をして火にかければ簡易蒸し器のできあがり。水が足りなくなったら注ぎ足しながら10分弱待てばおいしい蒸し餃子ができあがります。

進化の可能性を秘めた揚げ餃子

もう一つ忘れてはならないのが揚げ餃子。中国にも炸餃子と呼ばれる揚げた餃子はあるのですが、焼餃子同様にメジャーな存在ではありません。日本でもお弁当や給食の脇役のおかずを連想し、ちょっと地味な存在かもしれません。

この揚げ餃子ですが、ちょっと工夫するだけで一気に主役級に進化する可能性を秘めた餃子なのです。例えばカリッと油で揚げた揚げ餃子の上から酢豚のように甘酢あんをかけると、風味もよくなりますし皮のカリッとした部分と甘酢あんを吸ってしっとりした部分のコントラストが出てとても面白い食感になります。

また、そのまま餃子を揚げるのではなくコロッケのように卵とパン粉をつけてフライ餃子にしてもおいしく食べられますよ。

包み方も自由なのでお好みの形に包んでください。ヒダをつけずに二つ折りにするだけでも良いですし、皮を2枚使って円板型にしてもOKです。気をつけなくてはいけないのは、揚げている途中で破裂しないようにしっかりと皮を圧着することだけです。

揚げたての餃子は本当においしいので、一度試すと揚げ餃子のポテンシャルを再確認できると思いますよ。

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塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は1000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)