ケジャン(게장)

ケは蟹、ジャン(チャン)は漢字で「醤」と書いて、醤油漬け・みそ漬けの類をいいます。

ケジャンにする蟹は、わたり蟹がもっとも多く、その他シナモクズガニ、アシハラガニなど小さな蟹で漬けることもあります。いずれも、蟹を生のまま(できれば活きたまま)漬けこみますが、味によって次の二つに大別されます。


・カンジャンケジャン(간장게장)
蟹の醤油漬け。「カンジャン」は醤油の意味です。蟹を甕などの容器に並べ入れ、醤油に酒、水などを合わせ、煮立てて冷ましたものを注いで漬けこみます。にんにくや生姜、とうがらしを加えて香りづけすることもあります。たいていは蟹を丸ごと漬けますが、味がしみやすいように甲羅にひびを入れたり、足先を切り落としたりします。長く熟成させるため、途中でカビが生えないように、漬けてから数日間は毎日漬け汁を煮立てなおし、冷ましてから戻すことをくり返します。


カンジャンケジャン

 


・ヤンニョムケジャン(양념게장)蟹の薬味漬け
コチュジャン、しょうゆ、酒などを混ぜ合わせ、にんにく、とうがらし、ねぎ、ごまなどの薬味を加えた、こってりと濃厚なヤンニョムで蟹を漬けます。長くおかず新鮮なうちに食べるため、蟹を何等分かに切り、切り口に薬味をたっぷりかけるようにして、味をなじませます。


ヤンニョムケジャン

 

ケジャンは酒の肴として人気があるほか、ご飯ともよく合います。韓国では、身を食べたあと甲羅にご飯をのせ、蟹みそや蟹の卵、漬け汁もかけて混ぜて食べるのが人気です。

ケジャン
 

薬念研究所HP:キーワードで見る食文化2007年2月「ケジャン」より転載