ヤザワミートが手掛ける本格中国料理店「彬龍華 66」

ヤザワミートが手掛ける本格中国料理店「彬龍華 66」

餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」では、五反田にある中国料理店彬龍華ハンリュウカ 66」の一級点心師、陳丹チンタンさんに、点心師の技術を習ってきました。
本格点心の作り方から家庭でも応用可能な技術までお伝えしたいと思います。
 

ヤザワミートが手がける本格中国料理店

「彬龍華 66」は、精肉卸のヤザワミートが手掛ける本格中国料理店で、広東料理を中心に、ふかひれ料理、くるみ担々麺、北京ダックなど中国各地の料理が楽しめるお店です。
「彬龍華 66」で点心作りを取り仕切るのは、福建省出身の陳さんです。1985年に福州市のホテルで点心師としてのキャリアをスタートし、その後来日して国内のホテルなどで点心師として活躍しました。「彬龍華 66」のオープンに合わせて参画された超ベテランの点心師です。
ちなみに、点心師は中国では国家認定資格となっており、5級から特級までの8段階に分かれています。点心作りの技術だけでなく、食材に関する知識や栄養学などの知識も求められる、まさに点心に関するスペシャリストなのです。
  • 彬龍華 66
  • 彬龍華 66
陳丹さんと本格点心
 

魚翅鮮鳳眼餃の作り方

最初に陳さんに「彬龍華 66」の点心で一番人気の「魚翅鮮鳳眼餃」の作り方を見せてもらいました。
「魚翅鮮鳳眼餃」は、フカヒレととびっこを乗せた海老蒸し餃子です。餡の主な食材はバナメイエビと細切りタケノコ。こちらに塩や砂糖、コンソメ、ラード、ごま油などで風味付けがされています。
そして、点心といえばプルプル食感の透き通った皮が欠かせません。この皮の生地は、浮き粉、片栗粉、熱湯を1対1対1の割合で、ラードを少々足して練って作られます。浮き粉とは、小麦粉からグルテンを取り除いて残ったデンプンを精製して作られる粉です。
さて、ここからが点心師の真骨頂です。点心用の皮を伸ばすには、歯がない特殊な包丁である点心包丁を使います。まず、点心包丁の表面と麺台に油を塗って滑りを良くします。続いて、生地を丸くしたものを手のひらでギュッとつぶしてから、点心包丁で生地を押し付けるように数回動かすと、皮が円形になります。これを点心包丁で台からはがせば、あっという間に皮が完成します。皮が出来上がるまでがほんの一瞬で、まるで魔法のようなスーパーテクニックでした。
次は包む工程です。皮に細かく切った豆苗を乗せ、その上から餡を乗せます。これを「魚翅鮮鳳眼餃」の名前の通り、鳳凰の眼を開いたような形に包みます。この眼の部分にフカヒレを贅沢に乗せます。これを蒸篭で数分蒸してから、最後にとびっこを乗せて赤くすると、見事な鳳凰の眼が完成します。
プルプルの皮の中にたっぷり包まれたプリプリとした海老の餡、そして柔らかなフカヒレと一口で食感の変化が楽しめる餃子はとても美味しかったです。
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魚翅鮮鳳眼餃の作る工程
 

海老餡を使ったお手軽点心の作り方

点心包丁を使った皮伸ばしは、素人が簡単に習得できるものではないため、先ほどの海老餡を使ったお手軽な点心の作り方を陳さんに教えていただきました。
「ご家庭でも簡単に作れるのは焼売です。」と陳さんは言います。皮は市販の焼売の皮でも大丈夫です。指を少し丸めてその上に皮を置き、餡を皮の中心に押し込むように乗せます。続いて、親指と人差し指を輪にするような形にして円柱状になるように形を整えます。最後にヘラを使って上から押さえて皮と餡を密着させれば完成です。蒸篭に並べて数分で蒸し上がります。
  • 彬龍華 66
 
続いて、海老餡を使った焼き餃子の作り方も教えてもらいました。焼き餃子用には、先ほどの海老餡にニラと黄ニラを加えて風味の変化を付けます。「普通の餃子の皮でも美味しいですが、米粉の皮もおすすめです。」と陳さんは言います。一般的な餃子と同じように、ひだを付けて包んでからフライパンで蒸し焼きにすると完成です。
  • 彬龍華 66
 
焼売も焼き餃子もとても美味しかったです。市販の皮でも作れるので、ぜひご自宅でも試してみてはいかがでしょうか?
 

店舗情報
●店名:彬龍華ハンリュウカ 66

●所在地:〒141-0031
東京都品川区西五反田2-14-13 リバーサイドニックハイム五反田 1階
●営業時間
平日
11:30-15:00(L.O.14:30) / 17:30-23:00(L.O.22:00)
日・祝
11:30-15:00(L.O.14:30) / 17:30-23:00(L.O.22:00)
●定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
●電話番号:03-6206-9110
●公式サイト:https://valuet.co.jp/brands/hanryuka66/

次回のコラムは2024年5月1日更新予定です


塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)