医食同源を尊ぶ韓国の食文化の中でも、とりわけ滋養豊かな食べ物として、「補陽食」(보양식:ポヤンシッ)あるいは「補身飲食」(보신음식:ポシンウムシッ)と呼ばれるジャンルがあります。
代表的な補養食には、サムゲタン(삼계탕・蔘鶏湯:高麗人蔘やもち米入りの丸鶏スープ)、ケジャングッ(개장국:狗肉と野菜の辛味スープ)、ユッケジャン(육개장:牛肉と野菜の辛味スープ)、タッケジャン(닭개장:鶏と野菜の辛味スープ)、チュオタン(추어탕・鰍魚湯:どじょうと野菜のスープ)などがあります。これらは猛暑の時期の夏バテ予防に、また季節を問わず体力が落ちたときの健康回復のために、あるいは産後の女性の養生として、韓国では何かと目にする身近な料理です。
それらの中でも、牛肉と様々な野菜を煮込んだユッケジャンは、真っ赤な色と後をひく旨辛スープが特徴的で、日本でもかなり知名度の高い韓国料理に挙げられます。そして牛肉ではなく鶏肉で作ったものがタッケジャン、狗肉で作ったものがケジャングッです。ユッケジャンのルーツはケジャングッであったと言われています。