50種類の手作り餃子の食べ比べができる「餃餃者」(前編)

2022.08.01

餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
今回の「プロに学ぶ餃子を美味しく作る秘訣」は、中国・大連育ちの餃子職人さんに餃子作りの秘訣を教えていただきました。
中国の中でも遼寧省、吉林省、黒龍江省のいわゆる東北3州が餃子作りの盛んな地域とされています。中でも遼寧省大連市は東北地方の中では最も気候が温暖で、港町でもあることから、現地ではバリエーションが豊富な食材を使った餃子が作られています。
それらの食材の中から日本でもウケている焼餃子に合う食材についてご紹介したいと思います。

50種類の手作り餃子の食べ比べができる「餃餃者」

川崎駅周辺は中華料理店の全国有数の激戦地であり、餃子での町おこしのイベントなども行われるような町です。そんな川崎の中でも異彩を放つ餃餃者には、連日餃子好きが足繁く通っています。
餃餃者では、皮から手作りする本格的な餃子が50種類以上も食べ比べができます。7年前に私が最初に訪問した際には20種類ぐらいだった餃子の種類が、あれよあれよという間に50種類まで増えています。中国での定番とされる野菜系の餃子から、大連ならではの海鮮系の食材を使った餃子、そしてアレンジ餃子やデザート餃子まで、他では食べられないバラエティ豊富な餃子が楽しめます。
店主の郝晶(ハオジン)さんは、吉林省生まれで大連育ち。中国では正月や結婚式のお祝いの日には親戚一同が集まり餃子を作る習慣があり、郝さんも子供のころから当たり前のように餃子を作っていたそうです。餃子作りが生活の一部として定着しているのですね。
餃子好きが集う「餃餃者」/店主の郝晶(ハオジン)さんは大連育ち
注文が入ってから皮を伸ばす手作り餃子/餃子の種類は50を超える
美しい羽をまとった焼餃子

キャベツ派?白菜派?にんにくは入れる?

餃子を作る際に必ず議論になるのがメインの野菜にキャベツと白菜を使うのかという話。郝さんにお聞きすると「餃餃者では、ベースとなる餡の材料としては一年中安定して手に入るキャベツを使っています。冬は白菜が美味しい季節なので、白菜の餃子も作りますよ。」とのこと。季節に合わせてキャベツと白菜を選択するのがポイントのようですね。
また「中国では白菜が収穫されると大きな瓶を使って酸菜という漬物を大量に作ります。漬物にすることで長い間白菜が楽しめます。」と、白菜の漬物を使った「酸菜餃子」についても教えてもらいました。酸菜の独特な旨味と酸味がクセになる餃子です。
にんにくの使い方についても郝さんお聞きしました。「中国の餃子にはニラを入れることはよくありますが、にんにくはあまり使いません。にんにくはタレに入れて好みで風味づけするように使います」ということ。日本では餃子の定番食材と思われがちなにんにくが、中国では基本的に使われていないというのは意外でした。

キャベツをたっぷり使った豚肉キャベツ焼餃子の餡/香り豊かなニラ焼餃子の餡
白菜の漬物「酸菜」は中国東北地方では定番の食材
/独特な酸味と旨味が魅力の東北酸菜焼餃子の餡
ニンニクは餡には入れずお好みでニンニクダレで食べるのが中国流

夏野菜は餃子との相性抜群

季節に合わせて餃子の材料を選ぶのが重要だということなので、これからの夏の季節にお勧めの野菜についても教えていただきました。最初に紹介していただいた夏野菜はしそです。日本の焼餃子でも定番の食材の一つですね。半分に切ったしそを皮に載せその上から豚肉とキャベツのベース餡を載せて包んだもので、爽やかな風味が印象的な餃子です。
続いては夏野菜の代表格のピーマンです。日本では餃子の食材としては馴染みのないピーマンですが、中国の餃子の食材としては定番中の定番。ピーマンの肉詰めに代表されるように豚肉のミンチとの相性も良いですよね。ピーマンは細かくみじん切りにして、ベース餡と軽く混ぜてから皮で包みます。程よい苦味がアクセントになる、夏らしい餃子でした。
更に餃子に合う意外な夏野菜としてトマトをあげていただきました。「トマトの餃子を包むのは難しい」と郝さん。トマトは水分も多く大きめにカットして包む必要があるため、伸びる皮を使って丁寧に包む必要があるそうです。郝さんはベース餡の上に半分にカットしたミニトマトを載せて包んでいました。焼き上がった豚肉トマト焼餃子は、トマトの酸味と豚肉の肉汁の相性が抜群。皆さんにも是非チャレンジしていただきたい餃子です。
爽やかな香りのしそ餃子
夏野菜の代表格ピーマンは細かくみじん切りに/苦味がクセになるピーマン餃子の餡
ミニトマトを半分に切って餃子に包む
/トマトの酸味と豚肉の旨味の相性抜群の豚肉トマト焼餃子

店舗情報
●店名:餃餃者(ぎょうぎょうしゃ)
●所在地:神奈川県川崎市川崎区貝塚1-4-18
●営業時間:
 月~金、祝前日:11:30~14:00、17:00~23:30
 土、日、祝日:11:30~15:00、17:00~23:30
●定休日:不定休
●電話番号:044-211-1288
●公式サイト https://gyougyousya.owst.jp/

次回予告 2022年9月1日更新予定
50種類の手作り餃子の食べ比べができる「餃餃者」(後編)


塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)