餃子好きが集う人気店「中野餃子 やまよし」(後編)

2022.05.01

餃子専門サイト「東京餃子通信」の編集長の塚田亮一です。
先月から始まった「人気店のプロに学ぶ 餃子を美味しく作る秘訣」。2回目の今回も先月に引き続き「中野餃子 やまよし」店主の矢部淳さんから餃子作りの秘訣を習ってきました。
前回は「中野餃子 やまよし」の2大看板メニューである「にく餃子」と「やさい餃子」餡づくりを通じて餃子を美味しくする様々な秘訣を教えていただきましたが、今回は「餃子の包み方」と「焼き方」について教えていただきました。

餡の旨味を逃さない餃子の包み方

「中野餃子 やまよし」では、製麺所にサイズや厚さなどを細かく指定したもち粉入りの皮を使っているそうです。もち粉が入っているとモチっとした弾力が出やすくなります。製麺所の皮は伸びやすくて扱いやすいのですが、あまり一般流通してないので家庭では手に入れにくいですよね。市販の皮を使う場合のコツを矢部さんにお聞きすると「皮を冷蔵庫から早めに出して常温に戻してから使うと伸びるようになり包みやすくなる」とのこと。
皮の準備ができたら餃子を包んでいきます。「手のひらの上にのせた皮にヘラで餡をピッと塗り付ける感じでのせて、皮と餡の間の隙間を埋めて余計な空気が入らないようにします。この際に手のひらを軽く丸めておくと皮が伸びて餡が沢山入ります。」と矢部さん。矢部さんは餡から出てくる水分を使って皮同士をくっつけるそうですが、慣れていなければ指先で小量の水を皮に付けて包んでも良いそうです。
矢部さんの手前側の皮で利き手の逆の左側からヒダを刻んでいました。親指の高さ分ぐらいでヒダを刻むと等間隔にきれいにヒダが並ぶそうです。ただしヒダの数や形よりももっと重要なポイントを2つ教えてもらいました。1つは、包んだ後にヒダをギュッと潰して皮を圧着すること。これによって肉汁がもれなくなり、更に場所によって皮の食感の差がなくなります。2つ目は、トレイに餃子を置く際に軽く押し付けて底面を広くとること。これで焼いた際の焼き面がきれいになります。ちょっとしたコツで餃子の美味しさが変わるんですね。
包み終わった餃子はすぐ焼くのがベストですが、もし時間を置くのであればラップをして冷蔵庫に入れます。また、野菜の水気が出てくるのが気になるようであれば冷凍すると良いそうです。
皮は常温に戻ししてから包む / 手は軽く丸めてヘラで餡を皮に塗り付ける
ヒダは親指の高さで刻む / 均等に並ぶヒダ
皮の圧着とトレイへの押し付けが重要 / 美しく包まれたにく餃子

フライパンで上手に餃子を焼く方法

餃子を包んだら次は焼きの工程です。フライパンを強火で熱々になるまで熱します。水をたらしてすぐに蒸発するぐらいの温度です。次にフライパンに大さじ一杯の油を引いて、手早く餃子を並べます。この際に餃子の間隔を少しあけながら並べるのがポイントです。餃子は加熱すると少し膨らむので、あまりギュッと隙間なく並べてしまうと餃子同士がくっついてしまうことがあるそうなので気をつけましょう。また並べるときにもフライパンに餃子を軽く押し付けて底面を大きくとるとキレイな焼き面の形になるとのことです。
餃子を並べたら、すぐに熱湯を入れて蓋をします。熱湯の量は餃子の高さの1/3ぐらいが目安。熱湯を使う理由は「水を使うとフライパンの温度が下がり、薄い皮だと皮が伸びて食感が損なわれます。」と説明していただきました。熱湯をすぐに水蒸気にして、蒸気で皮を蒸すのが重要なポイントなんですね。
フライパンの中のお湯がなくなってきたら蓋を開けて香り付けのごま油を餃子に回しかけます。ここで油がはねるのでもう一度蓋をしてパチパチと乾いた音に変化してきたら焼きあがり間近。蓋を開けて餃子の底面の縁の部分の色を確認。ここに焼き色がついてきたら焼きあがりの合図。心配であれば餃子を持ちあげて焼き色を直接目で確認しても問題ないとのことでした。餃子が焼きあがったら火をとめてヘラでお皿に盛り付ければ完成です。

強火でフライパンを熱する / 少し隙間を開けて餃子を並べる
軽く餃子を軽く押し付けて焼き面をとる / 熱湯を入れてすぐに蓋をする
水分が飛んだら香り付けのごま油 / キレイな焼きあがり

基本ができたらアレンジ餃子にも挑戦

前回、今回とにく餃子とやさい餃子の餡づくりから、餃子の包み方、焼き方まで、一通りの餃子づくりの基本を習ってきました。これで我が家の餃子のレベルアップ間違いなしです。
さて、基本を習得できたら色々な餃子にも挑戦したいですよね。というわけで、矢部さんにお願いをして、「中野餃子 やまよし」の人気餃子「ラムパクチー餃子」「しそ餃子」の作り方も教えてもらいました。
ラムパクチー餃子は豚肉ではなくラムのもも肉を使うのが特徴。ラム肉にみじん切りした玉ねぎとパクチーを混ぜて、特製スパイスと調味料で味付けをします。餃子を焼く際に、油でクミンを熱して香り付けするのがポイントです。焼きあがった餃子にパクチーを添えれば完成。ラム肉とクミン、そしてパクチーの香りが印象的な餃子ですね。
「ラムパクチー餃子」の材料&調味料は以下になります。
<材料>
 ラムもも肉、パクチー、玉ねぎ、クミン
<調味料>
 鶏ガラスープ、オイスターソース、ごま油、紹興酒、砂糖、特製スパイス、塩、黒こしょう
ラム好きにはたまらないラムパクチー餃子
ラムパクチー餃子の材料 / ラムパクチー餃子の餡
しそ餃子も豚肉は使いません。代わりに鶏のもも肉とむね肉を使います。鶏のひき肉にみじん切りにした玉ねぎと細かく切ったしそを混ぜてから調味料で味付けをします。しそは細かく切ったほうが香りが出やすいそうです。しそ餃子は焼き餃子にしても美味しかったですが、ヘルシーさを追求するのであれば水餃子として茹でて食べるのがおすすめとのこと。
このままの材料で餃子を作ってみるのはもちろんですが、餃子のアレンジの仕方のヒントにもなりそうですね。
「しそ餃子」の材料&調味料は以下になります。
<材料>
 鶏もも肉、鶏むね肉、玉ねぎ、しそ
<調味料>
 鶏ガラスープ、オイスターソース、ごま油、紹興酒、砂糖、特製スパイス、塩、黒こしょう
鶏肉を使ったヘルシーなしそ餃子
しそ餃子の材料 / しそ餃子の餡

店舗情報
●店名:中野餃子 やまよし
●所在地:東京都中野区中野5-55-9
●営業時間:16:00~23:00(ラストオーダー22:30) 
●定休日:毎週月曜日+不定休
●電話番号:なし

次回予告 2022年6月1日更新予定「大阪のあのお店へ!」


塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)