餃子とGYOZA

2020.09.01

「塚田編集長に聞いてみたい12の餃子のコト」では、読者のみなさまからいただいたテーマや質問に、塚田編集長がお応えする形で餃子コラムを展開していきます。
梅雨が明けてから全国的に酷暑が続いていますね。
こんな時は餃子でしっかりスタミナをつけたいところです。
さて、今回は「海外で日本のような焼餃子は食べられていますか?」というご質問をいただきました。前回は世界の餃子についてご紹介しましたが、今回は焼餃子に絞ってご紹介していきます。



 

中国にも焼いた餃子はあった!

中国と日本の間に位置する朝鮮半島には、当然ながら餃子風の料理は存在します。
韓国語では餃子のことを「マンドゥ」と呼びます。語源は中国語の「マントウ(饅頭)」です。日本だと饅頭と言ったら甘いお菓子を指すことが多いですよね。
日本で餃子といえば焼餃子が最も一般的な食べ方ですが、餃子の本場中国では水餃子や蒸し餃子として食べるのが一般的です。中国では水餃子を大量に茹でて余ったものを翌日焼いて食べることがあり、煎餃とか煎餃子と呼ばれます。このように中国では焼餃子は残り物のイメージがあるため、わざわざ料理店に行って食べるような位置づけの料理ではありません。
中国にはもう一つ鍋貼という鉄鍋で焼いた焼餃子のような料理があります。水餃子に比べると皮も薄めで、茹でずに鉄鍋で蒸し焼きにするなど、日本の焼餃子と共通点も多いです。鍋貼は屋台などで食べるB級グルメとして一般的に食べられているそうです。ちなみに日本で歴史のある中国料理店のメニュー表では焼餃子のことを鍋貼とかコーテル(鍋貼の中国語読み)と表記されていることもあります。

  • 中国の焼餃子中国の焼餃子


 

アジアで人気の日本の焼餃子

経済が発展し勢いのあるアジア各国では、日本の食文化の人気を背景に焼餃子が和食の一つとして中国の水餃子、蒸し餃子とは別の料理として広がりつつあります。
大手餃子チェーン店の大阪王将の350以上ある店舗の中で、最も売上の高いお店はシンガポールにあります。シンガポールでも日本と同じ焼餃子が提供されており人気を博しているそうです。大阪王将はシンガポールだけで9店舗、その他アジア各国8店舗にも展開しています。
餃子の王将は昨年の台湾進出で海外再挑戦、浪花ひとくち餃子餃々は香港へ進出など、餃子チェーン店が続々とアジア各国に進出をして日本式の焼餃子を提供しています。どちらの餃子店でも日本と同じかやや上の価格設定のため、現地の基準からするとかなり高めの価格になっていますが、現地の日本人だけでなく現地の方々にも人気があるそうです。
  • アジアの焼餃子アジアの焼餃子


 

世界中に広がるGYOZA

私が以前アメリカのサンフランシスコやニューヨークのチャイナタウンを訪問した際に焼餃子の英語名を調べてみたところ“pot sticker”でした。これは鍋貼を英語に直訳したものですね。焼いた餃子は中国由来の“pot sticker”として世界には広がっていたようです。
しかし最近は日本の焼餃子の人気が上がってきた結果、海外でも日本の発音のまま“gyoza”で通じる様になってきました。“gyoza”は当初ラーメン店や日本風の居酒屋店で出される事が多かったのですが、現在では専門店もできています。特にフランスでは“gyoza”がブームになっていて、パリにある餃子専門店「GYOZA BAR」は連日行列が絶えない人気店になっています。
冷凍餃子もフランスやアメリカがよく売れているようです。またYouTubeで“gyoza”と検索してみると焼餃子のレシピ紹介や焼き方を英語で紹介する動画が沢山見つかります。世界の家庭の食卓にも“gyoza”が徐々に浸透してきているのでしょう。
中国から日本に伝わり、焼餃子として独自進化した焼餃子が今や世界に“gyoza”として広がり始めています。“ramen”や“sushi”や“sake”などに続いて“gyoza”が世界で愛される料理になるかもしれないですね。
  • 欧米の焼餃子欧米の焼餃子


 

塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は1000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)