餃子好きが集う人気店「中野餃子 やまよし」(前編)

2022.04.01

餃子専門サイト「東京餃子通信」編集長の塚田亮一です。
私はこれまで3,000店舗を超える餃子店の餃子を食べ歩きする中で、お店での餃子作りのポイントを学び家での餃子作りにも活かしてきました。
今年度はそんな経験をみなさんと共有する新たな企画として「人気店のプロに学ぶ 餃子を美味しく作る秘訣」をお届けしたいと思います。
記念すべき第1回は、東京・中野にある「中野餃子 やまよし」で餃子作りの基本を習いました。

餃子好きが集う人気店「中野餃子 やまよし」

2017年創業の「中野餃子 やまよし」は、地元中野はもとより遠方からも餃子好きが集う人気餃子店です。 テレビ番組や雑誌等にも多数取り上げられ、店内には来店した有名人のサインがびっしりと壁一面に貼られています。
店主の矢部淳さんは餃子好きが高じて餃子店を始めてしまったという餃子愛溢れる方で、私とは矢部さんがお店を始める前からの餃子食べ歩き仲間でした。
そんな矢部さんに、やまよしの名物餃子「にく餃子」「やさい餃子」の作り方とともに、自宅でも活かせる餃子作りの基本テクニックについて教えてもらいました。
「中野餃子 やまよし」
店主の矢部淳さん / 各界の著名人にもやまよしファンが多数

豚肉の旨みを閉じ込める「にく餃子」の餡づくり

やまよしの一番人気なのが「にく餃子」。ゴロゴロとした豚肉の食感と、その豚肉を噛みしめるとジュワっとしみ出てくる旨みが印象的な餃子です。

やまよし一番人気のにく餃子
主な材料は、豚のウデ肉とレンコン、長ネギ、生姜。ウデ肉を使う理由を聞くと「旨みが強く脂身も適度に入っているウデ肉を9mmの超粗挽きにしてます。ご家庭で作る場合には肩ロースでも代用できると思います。」とのこと。
粗目に挽いた豚肉は食感を活かすために練りすぎない様に気をつけましょう。豚肉を軽く練って混ぜたら、細かくカットしたレンコンと長ネギ、おろし生姜を投入。レンコンのシャキシャキした食感が豚肉のゴロゴロ食感をより引き立ててくれるんですね。ニンニクを使わない理由を聞くと「匂いを気にするお客さんもいるのでニンニクはあえて使ってません。ニンニクにたよらなくても旨みがしっかりした餃子は作れます。」と矢部さん。
ここに調味料を足してよく混ぜます。餡の下味のベースとなるのは鶏ガラスープとオイスターソース。更にごま油や紹興酒などで、風味を調整していきます。この時点ですでに餡から良い香りがしてきますね。焼き上がった餃子にタレをつけなくても食べられる様にしっかりと下味をつけるのが美味しい餃子作りの重要なポイントとのことなので、お好みの味付けを探ってみてください。
後は冷蔵庫で1~2時間寝かせれば餡の完成。寝かせることで調味料の味が馴染むのと餡が冷えて包みやすくなる効果もあるそうです。
にく餃子の材料
野菜は粗目にカット / 超粗挽きの豚ウデ肉
にく餃子用の豚肉は食感を残す練り具合 / 完成したにく餃子の餡
★「にく餃子」の材料&調味料は以下になります。
<材料>
 豚ウデ肉、レンコン、長ネギ、生姜(すりおろし)
<調味料>
 鶏ガラスープ、オイスターソース、ごま油、紹興酒、砂糖、塩、黒こしょう

キャベツの甘みを活かした「やさい餃子」の餡作り

続いてもう一つのやまよしの定番餃子「やさい餃子」の餡の作り方も教えてもらいました。ザクザクとしたキャベツから素材の甘みがしっかりと感じられる野菜たっぷりの餃子です。
やまよしの二大看板メニューのやさい餃子
やさい餃子の餡づくりの最重要ポイントはキャベツの切り方。適度に食感が残る様に、少し粗目にカットしてました。野菜はフードプロセッサーを使って刻んでもOKだが、細かくしすぎると食感が損なわれるだけでなく、野菜から水分も出やすくなるので気をつけましょう。更に「冬のキャベツは固くて甘いので細かめに切ります。暖かくなってくると柔らかく水分も多めになってくるので少し粗目に刻んでいます」と、キャベツは季節や品種によってちょうど良い切り方を見極めるのが秘訣なのだそうです。
野菜類は細かく刻んだら軽く塩もみをして余分な水分を絞ってから豚ひき肉に混ぜます。やさい餃子用の豚肉はスーパーで市販されているひき肉で大丈夫。これを乳白色になるまで練り込むことで野菜餡のつなぎ的な役割にするそうです。お店では実際には使われてはいませんが、もし野菜から出てくる水分が気になる場合はつなぎとしてパン粉も一緒に使うと余分な水気を吸ってくれるそうです。これは家庭でも実践できるテクニックですね。
やさい餃子の餡の下味に使う調味料は基本的ににく餃子と共通ですが、配分は異なるとのこと。こちらもタレなしで美味しく食べられる好みの配分を見つけてみましょう。餡に調味料をよく混ぜて1~2時間寝かせればやさい餃子の餡の完成です。
やさい餃子の材料
ねっとりするまで練り込まれた豚ひき肉 / キャベツのザクザク食感を残す刻み具合
塩もみして野菜の水気を絞る / 完成したやさい餃子の餡
★「やさい餃子」の材料&調味料は以下になります。
<材料>
 キャベツ、長ネギ、ニラ、干し椎茸、セロリ、豚ひき肉、生姜
<調味料>
 鶏ガラスープ、オイスターソース、ごま油、紹興酒、砂糖、塩、黒こしょう
※基本的ににく餃子と一緒だが配分が異なります

店舗情報
●店名:中野餃子 やまよし
●所在地:東京都中野区中野5-55-9
●営業時間:16:00~23:00(ラストオーダー22:30) 
●定休日:毎週月曜日+不定休
●電話番号:なし

次回「包みと焼きのテクニックを学ぶ」

(2022年5月1日更新予定)
今回は、「中野餃子 やまよし」の矢部さんに、2大看板メニューのにく餃子とやさい餃子の作り方を聞きながら餃子餡を美味しく作る秘訣を教わりました。次回は、餃子の包み方とフライパンでの焼き方の基本やプロならではのテクニックをご紹介します。

塚田 亮一(「東京餃子通信」の編集長)
2010年開設の餃子専門ブログ「東京餃子通信」編集長。
「餃子は完全食」のスローガンのもと、おいしい餃子を求めてどこまでも。首都圏はもとより、宇都宮、浜松、福島などの餃子タウン、さらには世界中の餃子風料理を日々食べ歩く。
これまで食べ歩いた餃子店の数は3,000店以上。
長年の研究からたどり着いた手作り餃子も評判。また、趣味のマラソンを活かし、餃子専門店を走って巡る「餃子マラニック」を主催。
作って、食べて、走れる、餃界のオールラウンダー。(「食べあるキング」より引用)