ラポッキ(라볶이)

ラポッキ(라볶이)とは、ラミョン(라면:ラーメン)とトッポッキ(떡볶이:餅炒め)を複合させた、現代韓国のフュージョン料理のひとつです。
簡単にいうと、トッポッキ(うるち米の餅を激辛のタレで炒めたもの)の餅を少なくしてラーメンの麺を入れたもので、味つけや具の感じからしてトッポッキの延長線上にある料理といえましょう。日本的な感覚でいえば、さしずめ「餅入り激辛やきそば」といったところでしょうか。
具には、キャベツ、玉ねぎ、にんじん、葱、さつまあげ、ゆで卵などがよく使われます。ちなみに、この韓国のさつまあげ(어묵:オムッ)は、野菜などの具が入っていないシンプルな練りもので、おでんのほか炒めものや煮ものの副材料としてしばしば使われる、庶民的な食材です。

ラポッキ

ラポッキといえば、在庫のラーメンと餅を使って手軽にできるインスタント料理のイメージですが、麺や餅に絶妙なコシを残し、ほどよい水分と味に手早く仕上げるには、やはり料理のコツがあるといえます。
ただ、これも好みが分かれるのか、実際には真っ赤なスープがたっぷり入った「餅入りラーメン」状のものや、具のほとんど入っていない「ソースやきそば」状のものなど、実にさまざまなタイプがあります。また最近では、とろけるチーズをのせたり、カレー風味のものが登場するなど、さらに変化をとげつつあります。
おやつや夜食として、あるいは簡単な食事として韓国の家庭でよく作られるラポッキですが、外食としても小腹がすいたときや酒の肴として、あるいはアルコールのあとのシメとして、粉食店(분식점:プンシッチョム)や屋台、あるいはフードコートでもラポッキはたいへん人気のあるメニューです。
食品メーカーからも、インスタントラーメンそっくりのインスタント「ラポッキ」や、カップ「ラポッキ」が発売されるなど、ラポッキブームは続きそうです。

ラポッキ
 
薬念研究所HP:キーワードで見る食文化2014年9月「ラポッキ」より転載